記事概要
- 爆裂英雄 A・R・T(イブラヒム)と、ミリオンブレイブ・カイザー(壱百万天原サロメ)の2枚への事前レビューです。
- 本記事は、本サイトに掲載されている別の記事を分割して掲載したものになります。
- 本記事は、コラボパック発売前に買っておくカードを選定するために、筆者が個人的に作成したメモを再編集したものであり、それゆえにレビューに容赦のない部分があります。
爆裂英雄 A・R・T(イブラヒム)
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水/火文明 {5}
クリーチャー:マジック・フレイム・コマンド 12000
- スピードアタッカー
- ジャストダイバー
- W・ブレイカー
- このクリーチャーが攻撃する時、カードを3枚まで引く。このターン、自分がカードを7枚以上引いていれば、相手のエレメントを2つまで選び、持ち主の手札に戻す。その後、このクリーチャーは相手のシールドを1つブレイクしてもよい。
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「マジック」
正直に言ってしまうと、《爆裂英雄 A・R・T》は微妙な性能のカードに見えます。
《爆裂英雄 A・R・T》の種族は
「マジック・フレイム・コマンド」ですが、
このカードのように「マジック」を種族に含んでいると、様々な「マジック」カードからサポートを受けることができます。
この「マジック」カードを束ねて組んだデッキ、「青赤マジック」は2024年度上半期のデュエルマスターズを支配した最強格のデッキだったのですが、暴れに暴れた結果、デッキの要である《瞬閃と疾駆と双撃の決断(パーフェクト・ファイア)》を殿堂入りカード(1枚制限のカード)に指定されてしまい、かなり弱体化してしまいました。
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瞬閃と疾駆と双撃の決断(パーフェクト・ファイア)
火文明 {3}
呪文
- コスト3以下のクリーチャーを1体、自分の手札から出す。
- このターン、自分のクリーチャー1体に「スピードアタッカー」を与える。
- 自分のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーの最初の攻撃の終わり。
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なお2024年12月以降~2025年1月現在、《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》というカードの登場に助けられて「青赤マジック」は0.5%ほどまでシェア率を回復しています。小数点以下の数字を見ると弱そうに見えますが、0.5%というのは十分に有望な水準です。ちなみにですが、最強格のデッキは10~%のシェアを誇ります。
《爆裂英雄 A・R・T》活用の糸口は「マジック」にあると思うのですが、その「マジック」デッキがすでに弱体化してしまっているのが痛手ですね…
しかし、そうはいっても「マジック」デッキで使うのが、現状もっとも見込みある用途でしょう。
おあつらえ向きなカクメイジン
マジックデッキを代表するカードに《芸魔王将 カクメイジン》というものがあります。
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芸魔王将カクメイジン
水/火文明 {7}
クリーチャー:マジック・ドラゴン/ゲーム・コマンド 10000
- 革命チェンジ:コスト5以上のマジック
- W・ブレイカー
- 自分のマジックすべてに「スピードアタッカー」を与える。
- このクリーチャーの各ブレイクの前に、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ呪文を1枚、コストを支払わずに自分の手札または墓地から唱えてもよい。その呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに山札の下に置く。
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カクメイジンはコスト5以上のマジック・クリーチャーから革命チェンジ(攻撃を引き継いで登場)できるので、《爆裂英雄 A・R・T》の攻撃中にいきなり登場させることが可能です。
おそらく、A・R・Tはカクメイジンとの組み合わせを想定してデザインされたカードなのでしょう。
それほどまでにカクメイジンとA・R・Tの組み合わせお誂え向きですし、そのような作意がないのなら、わざわざ「フレイム・コマンド」を「マジック・フレイム・コマンド」にしたりはしないと思うんですよね。
カクメイジンはシールドブレイクの直前、ブレイクするシールド1枚ごとに1枚、墓地か手札から呪文を唱える能力を持っています。W・ブレイカーなので、大抵の場合2枚の呪文を唱えることになります。
そこでA・R・Tの攻撃時3ドローが活きてくる。カクメイジンが唱える呪文を、革命チェンジのタイミングで集められるのは上出来なシナジーです。
(ARTの3ドローで引いたカクメイジンへチェンジするということはできません。攻撃時の能力誘発と、革命チェンジの使用宣言は同じタイミングで行うルールになっており、その後に誘発・宣言された能力が好きな順で解決されていきます。3ドローが解決された時点で、すでに革命チェンジ使用宣言のタイミングは逸しているのです。)
誘発
何かの条件を満たしたときに、効果が生じる能力のことを「誘発型能力」と呼ぶ(「攻撃する時、カードを1枚引く」など)
その誘発型能力の条件が満たされることを「誘発する」と言う。「トリガーする」とも言うが、ややこしいことに、両方とも正式な用語である。
なお、それ以降の
「7枚以上引いていれば~」のくだりに関しては、ほとんどインクの染みだと考えていただいて大丈夫です。
インクの染み
ゲームにおいてほとんど意味を為さない能力や効果のこと。
「1ターンに7枚カードを引く」という条件の難易度もさることながら、条件達成時のボーナスも非常に弱い。
相手エレメントのバウンスであれば、《歌舞音愛 ヒメカット / ♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》でもできることなので、わざわざ7枚ドローという難題にチャレンジしてまでやりたいことではないんですよね。「シールドを1枚ブレイクする」に関しては言わずもがなです。
多色カードはデッキに12枚前後しか入らないのですが、その貴重なスロットを融通できるのかも厳しいですよね…
多色カードはデッキに12枚
多色カードと単色カードの配分は中々にむずかしく、奥深い要素です。
公式サイトのガイダンスによれば、多色カードは「8~15枚」とされています。おおむね参考になる数字ですが、1ターン目から動くデッキの場合は多色カードを8枚未満にすることは珍しくありません。遅いデッキでも14枚までに抑えておいた方が安定します。
カクメイジンも多色カードだよね。これだけで早くも4枚…
《芸魔隠狐 カラクリバーシ》、《氷柱と炎弧の決断》というカードもすごく強くて、マジックデッキに必須級なのですが、ここ全部入れちゃうと12枠埋まっちゃうんですよね…
だからA・R・Tは入れるとしても1枚くらいかな。
競合カード
カクメイジンにチェンジできるカードとしては《Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》というのもあります。
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Napo獅子-Vi無粋(ナポレオン・バイブス)
火文明 {5}
クリーチャー:マジック・ニトロ・ドラゴン 6000
- 自分のマジック・クリーチャーがあれば、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。
- このクリーチャーが出た時、自分の手札を2枚まで捨て、その枚数より1枚多くカードを引く。
- メガ・ラスト・バースト(このクリーチャーが離れて、手札、マナゾーン、または墓地に置かれた時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)
- スピードアタッカー
- W・ブレイカー
♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い
火文明 {3}
呪文:マジック・ソング
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こちらの方がA・R・Tよりも速く出せるうえ、厄介なメタクリーチャーの排除にも使えるなど、全般的に使いやすい。このこともA・R・Tを微妙なカードにしてしまっています。
メタクリーチャー
対戦相手のプレイを妨害する効果を持ったクリーチャーのこと。多くは小型で、対戦相手がコストを支払わずにクリーチャーを出したり、大型クリーチャーを序盤に出すのを妨害する効果を持っている。瞬殺防止用のカードという認識でおおむね間違いない。
例1)ベイB・セガーレ
例2)赤い稲妻テスタ・ロッサ
コラボパックにはA・R・T以外にもイブラヒムイラストのカードが9種類収録されるらしいので、いっそA・R・T以外のカードでイブラヒムデッキを組むというのもアリかもしれません。
マジックカードは再録されるかも
イブラヒムでデッキを組みたい人は、
「相性のいいカードなら先にカクメイジンを買っておきたい」と思うかもしれませんが、その当のカクメイジンがにじさんじコラボパックに再録される可能性があることに注意が必要です。
にじさんじコラボパックでカクメイジンが再録された場合、そのカクメイジンのイラストはイブラヒムが描かれたものになるので、先に買っておいた分がもったいないことになってしまいます。
先行してカードを買い集めるのはダメというわけではありませんが、そのような可能性も勘案したうえで買い集めるようにしてくださいね。
ミリオンブレイブ・カイザー(壱百万天原サロメ)
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火/自然文明 {7}
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン 10000+
- G・G・G(ゴゴゴ・ガンガン・ギャラクシー):自分の手札が1枚以下で、自分の《ミリオン・ブレイブ・カイザー》がなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
- スピードアタッカー
- W・ブレイカー
- 自分のターンのバトル中、このクリーチャーのパワーを+1000000する。
- 各ターン、相手のクリーチャーがはじめて攻撃する時、可能ならこのクリーチャーを攻撃する。
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「赤緑逆悪襲(ギャラクシー)」デッキで使えそうな1枚です。
「赤緑逆悪襲」は火・自然文明の速攻デッキで、序盤に妨害効果を持った小型クリーチャー(メタクリーチャー)を並べ、コスト軽減効果を持った大型クリーチャーをダメ押しに召喚して殴りきるという戦略をとります。
切札勝舞が主人公だった頃のデュエルマスターズを知っている人には、
あの頃の赤緑の速攻デッキ(ステロイド速攻)の現代バージョンだとした方がわかりやすいかもしれません。
いまだに《凶戦士ブレイズクロー》が採用されているところにも勝舞時代の名残を感じますよね。
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凶戦士 ブレイズ・クロー
火文明 {1}
クリーチャー:ドラゴノイド 1000
- このクリーチャーは、可能であれば毎ターン攻撃する。
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メタクリーチャーや手札枚数の管理がむずかしいデッキにはなっていますが、現代デュエルマスターズの中では「素直」で分かりやすい部類の戦略です。
「赤緑逆悪襲」ではマナゾーンにカードがタップインしてしまうことがかなり辛いので、多色カードである《ミリオンブレイブ・カイザー》をガッツリ4枚採用するかは微妙なところです。
(さらに細かいことを言えば、
《ミリオンブレイブ・カイザー》のG・G・Gは《流星のガイアッシュ・カイザー》を誘発させてしまうので、1マナだけ支払って召喚する《“逆悪襲”ブランド》との使い分けも大切になります。その点でも考えなしに4枚採用とはいかないんですよね…)
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流星のガイアッシュ・カイザー
水/自然文明 {6}
クリーチャー:ブルー・コマンド・ドラゴン/グリーン・コマンド・ドラゴン/ハンター 8000
- 相手のターンの終わりに、相手がそのターン中、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーを出すか呪文を唱えていて、バトルゾーンに自分の 《流星のガイアッシュ・カイザー》がなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
- W・ブレイカー
- このクリーチャーが出た時、カードを2枚引く。
- 自分のコスト10以上のクリーチャーの召喚コストを4少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
- 相手のクリーチャーは出たターン、自分を攻撃できない。
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個人的には1~2枚程度の採用に落ち着くのではないかと思います。
なお、能力語が「グラビティ・ゼロ」ではなく「G・G・G」である点からして、開発側も「赤緑逆悪襲」での使用を想定して《ミリオンブレイブ・カイザー》をデザインしているように見えます。
だとすると、やはりにじさんじコラボパックに「赤緑逆悪襲」関連のカードが再録されるでしょうから、先行してカードを買い集める必要性は低そうです。
「赤緑逆悪襲」みたいな素直な戦法ほどむずしいのが現代デュエマなんですよね。
だって、使っている側がわかりやすいと思うデッキは、対戦相手からしても「わかりやすい」ですから…
だから、対戦相手に動きが読まれている前提で、常に最善で動き続ける必要があるんですよね。
すると、相手デッキのシールドトリガーやガードストライクの構成なんかも正確に予想したうえで、攻撃の判断もしなきゃですし…
じゃあ、逆にこっちが相手のデッキを知ってないとダメなんだ…
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前回
にじさんじコラボパック『異次元の超獣使い』無忖度レビュー①【分割版】
偽りの月 インターステラ(月ノ美兎)
聖霊龍王メルヴェイユ(フレン・E・ルスタリオ)
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【初心者向け注釈付き】にじさんじコラボカードは強い?弱い?どんなカードと組み合わせるべき?現役プレイヤー目線で忖度なしレビュー【異次元の超獣使い】
2025年3月発売セットにじさんじコラボ「異次元の超獣使い」収録カードのレビューです。初心者へのTIPsを織り交ぜつつ、相性のいいカード、活用方法を紹介していきます。
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