【格安モダン/予算 ¥11000】黒単ゾンビ(2022/11/23更新)


こんな内容の記事です
  • 予算¥11000で構築できる格安モダンデッキの紹介です!
  • 予算は2023/6/28のWisdom Guildトリム平均価格から一の位を切り上げたものを参考価格とし、それを合計して算出しています。
  • 即興でコンボを組み立てながら、テクニカルに攻めていくデッキです!
  • 現状のメタゲームで十分勝てる仕上がりですがプレイ難度は高めです。モダンらしい難しさとアンフェアさが味わえるデッキになっているので、モダンを遊んでみたかった方におすすめしたい格安モダンデッキになっています。
  • 記事公開後にデッキリストを更新しているため、記事の解説とリストとに齟齬が生じている部分があります。

リスト

カード名をタップで詳細ページに飛びます。

記事公開後にデッキリストを更新しているため、記事の解説とリストとに齟齬が生じている部分があります。

メイン

クリーチャー

4 よろめく怪異 ¥ 90
4 墓所這い ¥ 380
4 屍肉喰らい ¥ 210
4 滅びし者の勇者 ¥ 260
4 アンデッドの占い師 ¥ 70
2 ぬかるみのトリトン ¥ 50
1 忍耐強く企む者、ゴラム ¥ 50
4 戦墓の巨人 ¥ 300
4 首無し騎手 ¥ 220

呪文

4 村の儀式 ¥ 40
4 骨の破片 ¥ 40

土地

1 見捨てられたぬかるみ、竹沼 ¥ 700
20

サイドボード

2 死鳴らし鬼 ¥ 40
2 エレヒの石 ¥130
4 絶望の力 ¥ 240
2 ダウスィーの虚空歩き ¥ 1030
2 ぬかるみのトリトン ¥ 50
2 完全無視 ¥ 30
1 血の芸術家 ¥ 190

予算

メイン:¥ 7290
サイドボード:¥ 3710
合計:¥ 11000

参考価格はWisdom Guildのトリム平均を切り上げ(2023/6/28現在)

テストプレイ


プロキシ印刷



MOXFILED生成のプロキシは、設定した用紙サイズに応じて自動で適切に配置されます。
また、MOXFILEDのプロキシには基本土地が含まれません。

印刷は以下の設定で行うのがおすすめです。
  • カラー
  • 用紙サイズ:A4
  • 1枚当たりのページ数:1
  • 余白:デフォルト
  • 倍率:既定

うお…!?
異様に安いなこれ…!?
こんなに安いのに結構勝てるんですよ…!



広告






デッキ・リニューアルのコンセプト

リニューアル前の格安黒単ゾンビデッキ

リニューアル前の黒単ゾンビは、《アンデッドの占い師》や《村の儀式》で対戦相手の除去呪文からカード・アドバンテージを吸い取っていくデッキでした。

カード・アドバンテージ

使うことができるカードの枚数。あるいはその枚数の差によって得られる優位性のこと。
複雑な概念であり、一律に定義できるものではないが、「場のクリーチャーの枚数と手札の枚数を足した枚数」で考えることが多い。

カード画像はタップで拡大します。
(外側をタップすれば拡大した画像を閉じます)


殊に単体火力除去を多数搭載したデッキに対してはめっぽう強く、「イゼット・マークタイド」が環境の2割を占めていた一時期のモダンでは結構勝てていました。

しかし、「独創力」デッキが台頭するようになると、長らく絶対的だった「イゼット・マークタイド」の立ち位置が揺らぎ、それと同時にモダン環境におけるコンボデッキが大きな存在感を発揮しはじめます。

この「独創力」デッキが4ターン目に強烈な動きを構えているデッキであったことに加えて、『団結のドミナリア』以降さらに勢力を拡大した「続唱サイ」など、4ターン目までにゲームを決めたい対面が増加。

さらにこの煽りを受けて、メタゲームは全体的に高速環境へと傾いていきます。「トロン」「親和」「研磨基地(ブリーチ)」の様なコンボデッキの復権に加えて、「ラクドス・ミッドレンジ」「果敢」がギミックの搭載によってスピードアップし、メタゲームは更なる高速化の一途をたどります。

こうなってしまうと「リソース戦に強い」だけでは勝てるハズもなく、「黒単ゾンビ」もメタゲームの変化に合わせた高速化の必要に迫られるようになりました。

2022/11/20現在のメタゲームでは、「ラクドス・ミッドレンジ」「イゼット・マークタイド」の2種の赤系フェアデッキが台頭しつつも、各種コンボデッキも幅をきかせている混沌としたメタゲームに落ち着いている。「黒単ゾンビ」元来のリソース戦への強さを活かしつつ、スピードを追求していく必要がありそうです。


要するに「今のモダンでチンタラ戦うデッキには芽がないからスピードアップする」ってことだよな。
そうなんですよね。
カードパワーの高いカードを多数採用するならロングゲームにも耐えうるのですが、それができるデッキタイプは限られますし…
そういうデッキはカード1枚1枚が本当に高いしな…



どうリニューアルしたのか?

《屍肉喰らい》を主役に据えたゲームメイクをできるようにした

《屍肉喰らい》は、味方クリーチャーを生贄に捧げて自身をパワーアップする能力を持ったゾンビ。

屍肉喰らい

クリーチャー - ゾンビ {黒}
1/1
屍肉喰らいではブロックできない。
クリーチャー1体を生け贄に捧げる:屍肉喰らいの上に+1/+1カウンターを1個置く。

能力の起動にマナ・コストの支払いが必要ないため、味方クリーチャーが並んでさえいればいくらでもサイズアップすることが可能です。

この《屍肉喰らい》のクロックを大きくすべく、《巣のシャンブラー》を4枚採用しました。

巣のシャンブラー

クリーチャー - ゾンビ {黒}
1/1
巣のシャンブラーが死亡したとき、緑の1/1のリス・クリーチャー・トークンX体をタップ状態で生成する。Xは巣のシャンブラーのパワーに等しい。

《巣のシャンブラー》は、自身とリス・トークンで二度《屍肉喰らい》の能力起動コストを供出できます。

1ターン目に出しておいた《屍肉喰らい》に、2ターン目に出した《巣のシャンブラー》と死亡時誘発で生成されたリス・トークンを喰わせれば、早くも3打点が形成される。この時点でまだ1マナ残っているので、《村の儀式》を構えたり、他のゾンビを展開する余裕があります。



味方ゾンビ死亡時にゾンビトークンを生成する《首無し騎手》で、除去を浴びてもクロックダウンしないようにした

《首無し騎手》は自身を含む味方ゾンビの死亡時に2/2ゾンビトークンを生成する能力を持っています。

首無し騎手

クリーチャー - ゾンビ {2}{黒}
首無し騎手かあなたがコントロールしていてこれでもトークンでもないゾンビ1体が死亡するたび、黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークン1体を生成する。

《至高の評決》や《滅び》を喰らっても、死亡時誘発で生成されたゾンビでそのまま押し切ってしまえるのが魅力。

もちろん全体除去への耐性だけでなく、デッキ内の諸々のテクニックにも使えるキーパーソンです。




アグレッシブサイドボーディングを取り入れて、苦手対面を勝ちやすくした

《ぬかるみのトリトン》4枚と《戦墓の巨人》3枚をサイドインして、墓地活用のミッドレンジへとアグレッシブサイドボーディングするパッケージを搭載しています。

これにより、環境に常に5%ほど存在する「バーン」に強く出ることができるようになったり、苦しい「続唱サイ」とのマッチアップをマシにすることができるようになりました。



「続唱サイ」とのマッチアップが「マシに」…か。
もっと有利に立ち回れるようになればよかったのですが…
やっぱり厳しかったです。



広告






即興でコンボを組み立てていく頭脳派デッキ

「格安黒単ゾンビ」は各々シナジーを持つカードで構築されています。

そのため、シナジーのあるカードどうしを組みあわせて即興で強力なコンボを組み立てながら戦うという独特なゲームメイクが可能で、カードプールの広い下環境ならではの頭脳戦を楽しめます。


ハマったときの爆発力がすごいから、モダンでもしっかり勝ちに行けるんですよね…!
「ハマったときの爆発力が…」みたいなデッキが今のモダンで強いのはたしかだな。
高額なパワーカードを使うわけじゃない限り、自分のムーヴを押し付けるデッキを組むのが正解らしい。
MTGに限らず、デッキタイプの多様性が大きいカードゲームはそうなりがちですね。
対策を立てる仮想敵が多すぎると、対策を立てる行為それ自体の意味が希薄になりますから、必然的に強いムーヴの押し付け合いへとメタゲームが傾倒していくんですよね。
まぁ、それはそれで面白いけどな。
自分のデッキに習熟していけば勝てるわけだから、ある意味「モダンはやりこみ」の時代に戻ったともいえるか。
好きなデッキを使い込んで勝てるのがこのフォーマットの魅力でしたからね。



基本のコンボ:屍肉喰らい+墓所這い

《屍肉喰らい》は前述の通り、味方一体を生贄にパワーアップするゾンビ。 一方、《墓所這い》は何度でも墓地から召喚できるゾンビ。


この2体を組み合わせれば、マナが続く限り「《屍肉喰らい》で《墓所這い》を生贄に捧げる→《墓所這い》を墓地から召喚する→《屍肉喰らい》で《墓所這い》を生贄に捧げる」という動きを繰り返すことができます。


1マナにつき+1/+1カウンターを1個のせることができるので、これだけでも結構強力なのですが、それだけではモダンデッキとして足りません。

この一連の動きに「ゾンビが登場したときに誘発する能力を持ったゾンビ」「ゾンビが死亡したときに誘発する能力を持ったゾンビ」を噛ませることで、さらに大きなアドバンテージを得ることができます。これを駆使して有利に立ち回り、メタデッキを攻略していくのが「黒単ゾンビ」の戦い方になります。




基本のコンボに噛ませたいカードたち

滅びし者の勇者

クリーチャー - ゾンビ {黒}
1/1
これでないゾンビ1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、滅びし者の勇者の上に+1/+1カウンター1個を置く。

《滅びし者の勇者》は、味方ゾンビの登場時にパワーアップする能力持ち。

墓地から《墓所這い》を召喚したときにもパワーアップするため、「《屍肉喰らい》で《墓所這い》を生贄に捧げ、墓地から《墓所這い》を召喚する」一連の動きが一巡するたびにパワーアップしていきます。


本来であれば一巡するたびに《屍肉喰らい》のパワーアップ分の1点クロックが増えるのですが、《滅びし者の勇者》もその恩恵を受けるので、場にある《滅びし者の勇者》だけさらにクロックが増えることに。

なるべく早く決着したいコンボ対面の多い今のモダンでは、このクロックアップが度々活きてきます。


見てください、この哀愁漂う戦士の横顔を。
カッコいい…カッコよすぎます…!
お、おう…
《屍肉喰らい》や《墓所這い》がなくても育つから、安定して活躍してくれそうだな。



アンデッドの占い師

クリーチャー - ゾンビ・ウィザード {黒}{黒}
1/1
アンデッドの占い師か、他の、あなたがコントロールしているゾンビが1体死亡するたび、あなたはカードを1枚引き、あなたは1点のライフを失う。

こちらは、《滅びし者の勇者》とは対照的に、《墓所這い》が《屍肉喰らい》によって生贄に捧げられたタイミングで1点のライフと引き換えに1ドローできます。

このシナジーは非常に強力で、ひとたび成立すれば3~4枚のカードは引くことができます。

ただし、「1点のライフを失ってドローする効果」は、任意ではなく強制で、油断しているとこれが敗因になってしまうことも…
十分な枚数の手札が確保できれば《アンデッドの占い師》を生贄に捧げてライフロスを止める必要があります。


油断してるとライフが空になってしまいます。
ライフが少なくなりすぎると、チャンプブロックすらマトモにできなくなるわけか…
ですね。
どれだけカードを引ければ十分なのか、どれだけライフが必要なのか、常に意識しながら使う必要があります。
うーん…なるほど、見た目以上扱いが難しそうだ…



首無し騎手

クリーチャー - ゾンビ {2}{黒}
3/1
首無し騎手かあなたがコントロールしていてこれでもトークンでもないゾンビ1体が死亡するたび、黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークン1体を生成する。

《アンデッドの占い師》同様、ゾンビの死亡時に誘発する能力を持っているのですが、こちらは2/2ゾンビ・トークンを生成します。

トークンの生成は「場に出た」扱いになるので、《滅びし者の勇者》のパワーアップにも貢献してくれます。

《屍肉喰らい》《滅びし者の勇者》《首無し騎手》とトークンでないゾンビ1体以上が並んでいるとき、《屍肉喰らい》でトークンでないゾンビを生贄に捧げて、《首無し騎手》の誘発でトークンを生成し、さらのそのトークンをも生贄に捧げれば、《屍肉喰らい》が+2/+2、《滅びし者の勇者》が+1/+1されます。

同様のテクニックをコンバットトリックとして非常によく使うことになるので、「なんとなくそういうことができるんだな…」と頭に入れておいてください。


ブロックされなかった《屍肉喰らい》や《滅びし者の勇者》をこのテクニックで強化して押し切る…という展開は珍しくないんですよね。
これが使いこなせるようになると、かなり勝てるようになると思います。
こういうテクニックは自分も忘れがちだけど、相手にとってはもっと意識外なものだからな。
そもそもゾンビはそんなにメジャーなデッキタイプじゃないし。
そうなんですよね。
だから熟練の相手であっても、盤面を見落として誤ったブロック指定をしてしまうことは珍しくありません。 その一瞬の隙を突いて一気にパワーアップして決着させちゃいましょう…!



《屍肉喰らい》と《墓所這い》が揃わなくても大丈夫

《屍肉喰らい》と《墓所這い》のセットが「基本のコンボ」としましたが、別にそろわなければ勝てないというわけではありません。

というのも、お互いのパーツに代用できるカードがあるため、2枚が揃わなければデッキが回らない…ということもないのです。

《墓所這い》は1枚で2回以上生贄用のクリーチャーを用意できる《巣のシャンブラー》や《首無し騎手》で代えることができますし、《屍肉喰らい》がなくても《村の儀式》や《骨の破片》で味方クリーチャーを生贄に捧げて死亡時誘発を使うことができます。

さらに言えば《滅びし者の勇者》も《首無し騎手》も《アンデッドの占い師》も、参照しているのはあくまで「ゾンビ」なので、《屍肉喰らい》も《墓所這い》も両方ともなくてもゾンビ参照のシナジーを駆使して戦うことはできるわけです。

とはいえ、《屍肉喰らい》と《墓所這い》とを使ったコンボは爆発力がありますし、そもそも《屍肉喰らい》も《墓所這い》もそれぞれが強力なカード。 無くても勝てるとはいえ、ドローを駆使して積極的に引きに行きたいカードではあります。


小粒を並べてロードで強化して殴るだけ勝てちゃったりするのが部族デッキなんだよな…
相手が除去呪文を握ってなければ、並べて殴るだけで勝てちゃったりするんですよね。



広告






なぜこんなに安いのか?

そもそも部族デッキというものが安い

ここまで予算が安価になったのは、数少ない高額カードだった《墓所這い》が『ダブルマスターズ2022』にて再録され、シングル価格が大幅に下がったから。

その他カードもゾンビデッキ以外では使用しない…つまり需要の小さいものが多く、安価なカードが多くなっております。


他のデッキでは使用されないからパーツが安くなるというのは、部族デッキあるあるですよね。



特殊地形が少ないのは…

もっぱら《血染めの月》対策です。

血染めの月

エンチャント {2}{赤}
基本でない土地は山である。

1マナのクリーチャーを大量採用しており、《アンデッドの占い師》もダブルシンボルなので、1枚でも土地から黒マナが出せなくなってしまうとかなりの痛手になります。
そのため、本リストは20枚中18枚を沼にし《血染めの月》へのガードを固くしています。


最近の赤系フェアデッキはメインから《血染めの月》を入れてあるから、単色デッキであっても《血染めの月》は要警戒なんだよな。
そうなんですよね。
今のびのびと特殊地形が使えているのは赤単くらいのものではないでしょうか…
赤単は特殊地形が山になってもあんまり痛くないからな…
メインから《血染めの月》が使われていくうちに、「対面が単色デッキであろうと特殊地形の採用が多ければ刺さる」という通念が浸透してしまったのも大きい。
それもあります…
分かってるプレイヤーは単色相手にも《血染めの月》を使ってくるようになりましたよね。





採用カード解説

屍肉喰らい

クリーチャー - ゾンビ {黒}
1/1
屍肉喰らいではブロックできない。
クリーチャー1体を生け贄に捧げる:屍肉喰らいの上に+1/+1カウンターを1個置く。

散々解説してきたカードですが、小技についてもうちょっと解説させてください。

《屍肉喰らい》には「攻撃する」「味方の死亡時誘発を誘発させる」以外に「追放除去を破壊に置換する」という役割があります。

《虹色の終焉》のような追放除去で《墓所這い》が追放されると、当然墓地から唱えることができなくなってしまいます。《巣のシャンブラー》や《よろめく怪異》が追放されれば、その死亡時誘発が使えません。

そうならないよう追放除去にスタックで《屍肉喰らい》の能力を起動して、追放される前にゾンビを墓地に送ってしまえば《墓所這い》は墓地から復活できるし、《巣のシャンブラー》などの死亡時誘発場無事使えます。

《屍肉喰らい》の生贄を割り込ませたいのは追放だけではありません。

尽く相手の除去呪文にスタックして味方を生贄に捧げていけば、《屍肉喰らい》は実質的に「味方が破壊さえるたびに+1/+1カウンターが乗るクリーチャー」になります。

なので、味方ゾンビが除去の対象になったら、とりあえずスタックで《屍肉喰らい》の能力を起動して生贄に捧げるのが定石になります。


コンバット・トリックもできて、追放対策もできて、シナジーも豊富で、実質的に味方が除去されるたびに強化される1マナクリーチャーか…
長所を枚挙すれば本当に強いクリーチャーだと分かるな…
パッと見た感じは地味な性能なんですけど、使えば使うほど強さが分かってくるカードなんですよね…



巣のシャンブラー

クリーチャー - ゾンビ {黒}
1/1
巣のシャンブラーが死亡したとき、緑の1/1のリス・クリーチャー・トークンX体をタップ状態で生成する。Xは巣のシャンブラーのパワーに等しい。

でてきたリスくんも《屍肉喰らい》のエサにすれば+2/+2です…!
リスくんまで…



よろめく怪異

クリーチャー - ゾンビ {黒}
1/1
よろめく怪異が死亡したとき、以下から1つを選ぶ。
• 悪臭を我慢する — 対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-1/-1の修整を受ける。
• 死体を調べる — 宝物・トークン1つを生成する。(それは、「Tap, このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つアーティファクトである。)

2種の死亡時能力が優秀なゾンビ。
スタンダードでも大いに活躍したので、覚えている方も少なくないかと思います。

死亡時の-1/-1修正は言うまでもなく強力で、《村の儀式》などと組み合わせて除去呪文のように使えます。 除去できるのはタフネス1に限られますが、《厚かましい借り手》などモダンには除去したいタフネス1が多数存在します。

加えて、この-1/-1修正のおかげで《敏捷なこそ泥、ラガバン》を牽制することができるのも頼もしい。ラガバンが攻撃して来たら相討ちすればいいですし、《よろめく怪異》を《稲妻》などで除去されても死亡時誘発の-1/-1でラガバンを落とせるので、ラガバンは身動きが取れなくなってしまうわけです。

敏捷なこそ泥、ラガバン

伝説のクリーチャー - 猿・海賊 {赤}
2/1
敏捷なこそ泥、ラガバンがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、宝物・トークン1つを生成し、そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを追放する。ターン終了時まで、あなたはそのカードを唱えてもよい。
疾駆{1}{赤}(あなたはこの呪文を、これの疾駆コストで唱えてもよい。そうしたなら、これは速攻を得て、次の終了ステップの開始時に、これを戦場からオーナーの手札に戻す。)

もう一方の宝物・トークンの生成は、《よろめく怪異》を実質的に0マナのカードとして使うのに役立ちます。

具体的には《よろめく怪異》を場に出してすぐに《屍肉喰らい》で生贄に捧げ、召喚に使った1マナを回収してしまうプレイング。 手札1枚を消費して《屍肉喰らい》に+1/+1カウンターを乗せるこのプレイングは意味のないものに思えるかもしれませんが、場にゾンビシナジーを有したクリーチャーがいれば話は変わってきます。

例えば《首無し騎手》がいれば0マナで2/2トークンが生成され、《滅びし者の勇者》がいれば0マナで+1/+1カウンターが獲得でき、《アンデッドの占い師》がいれば》ライフ1点と引き換えに手札のロスが補填されます。

もっと言えば、シナジーがなくとも序盤に+1/+1カウンターを1個《屍肉喰らい》に載せることができたことが、後々のゲームの展開に大きな影響を及ぼすことも少なくありません。


生贄ありきではありますが、1枚で二役担えるのは優秀です。
実質モード呪文みたいなものだからな。
有用な場面が多いカードは、デッキの平均的なパフォーマンスを高めてくれる。



村の儀式

インスタント {黒}
この呪文を唱えるための追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。 カードを2枚引く。

相手の除去呪文の対象になった味方クリーチャーを《村の儀式》によって生贄に捧げることで、カード1枚分のアドバンテージをえることができます。

このとき重要なのが、こうして対象が生贄にされてしまった呪文は立ち消えること。立ち消えた呪文は打ち消された扱いになるので、こうして出来事呪文を立ち消えさせれば、物語領域から当事者(クリーチャー)を唱え直すことはできなくなります。

メタゲームでは《砕骨の巨人》や《厚かましい借り手》が活躍しているので、頻繁に使うことになるテクニックです。






サイドボード解説

アグレッシブ・サイドボーディングでマッチアップを改善する

「バーン」「続唱サイ」「ドメイン・ズー」などの対面では、アグレッシッブ・サイドボーディングでデッキを墓地活用型のミッドレンジへと変形させ、マッチアップの改善を図ります。 その際入れ替えるカードは以下の通り。

IN

4 ぬかるみのトリトン
3 戦墓の巨人

OUT

4 巣のシャンブラー
2 呪われた者の王
1 死の男爵



接死を持つ《ぬかるみのトリトン》も《戦墓の巨人》も、地上から攻撃してくる大型クリーチャーの足止めにピッタリなカード。

《戦墓の巨人》は味方ゾンビの登場時にゾンビトークンを生成できるので、本体のサイズも相まって地上の盤面の取り合いが非常に得意。地上に大型クリーチャーを並べるマッチアップが非常に戦いやすくなります。

《ぬかるみのトリトン》は登場時の切削のおかげで、《戦墓の巨人》に載る+1/+1カウンターを増やしやすいのもポイント。

一度に7枚以上のカードを交換するサイドボーディングには、相手目線からすると対面の攻略方法が変わってしまう厄介さもあります。対戦相手を翻弄する効果もあるので、ちょっとでも効きそうだと思ったら思い切ってアグレッシブサイドボーディングに踏み切るのが吉です。



腐敗した再会

インスタント {黒}
墓地にあるカード最大1枚を対象とする。それを追放する。腐乱を持つ黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークン1体を生成する。(それではブロックできない。それが攻撃したとき、戦闘終了時に、それを生け贄に捧げる。)
フラッシュバック{1}{黒}(あなたはあなたの墓地にあるこのカードをフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後、これを追放する。)

額面通り墓地対策。
リアニメイトデッキや《頑強》を搭載した「独創力」には有効ですが、墓地肥やしのスピードが圧倒的な「ブルーリビングエンド」には敵いません。

頑強

ソーサリー {1}{黒}
あなたの墓地から伝説でないクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを-1/-1カウンター1個が置かれた状態で戦場に戻す。

「腐乱」を持っているので、《アンデッドの占い師》があればドロー呪文として使うこともできます。

腐乱

「腐乱」を持つクリーチャーは、ブロックすることができず、攻撃に参加した戦闘の終了時生け贄に捧げられる。



絶望の力

インスタント {1}{黒}{黒}
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札から黒のカード1枚を追放してもよい。
このターンに戦場に出たクリーチャーをすべて破壊する。

「続唱サイ」用のサイドボード。

ピッチで唱えることができるのは相手のターン中のみなので、こちらのターン終わりに《暴力的な突発》を唱えられた場合には無力。普通に「待機」で唱えるか《断片無き工作員》から続唱された《衝撃の足音》には効果があるので、そこそこ対策カードとして刺さる印象です。


何より多くのプレイヤーがこの《絶望の力》の存在すら知らないし、知っていても使われるとは思っていないので奇襲力があります。

また、黒単ゾンビにとって厄介な《ヴェクの聖別者》を倒すことができるのも魅力。

ヴェクの聖別者

クリーチャー - 人間・クレリック {1}{白}
プロテクション(黒)、プロテクション(赤)
ヴェクの聖別者が戦場に出たとき、すべての墓地から黒や赤であるすべてのカードを追放する。 黒や赤の、パーマネントや呪文や戦場にないカードが墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。

手札1枚のピッチコストも、ドロー手段の豊富なゾンビデッキではあまり苦になりません。

条件付きの全体除去なので「続唱サイ」に限らずクリーチャーを並べてくるデッキ全般に有効なカードですが、「マーフォーク」への効きは悪いです。 肝心の《海と空のシヴィエルン》が破壊不能を持っていることに加えて、《ヴォ―デイリアの呪詛抑え》が加入して以来、除去呪文へのガードが固くなっているからです。


サイドボード時は《骨の破片》と入れ替えることが多いですが、除去がたくさん欲しい対面では別のカードと入れ替えてください。


そもそもピッチスペルの除去呪文というだけで優秀なんだよな。
そうなんですよね…!
3マナ払って唱えるにはちょっと微妙な性能ですが、ハードキャストすることはほぼほぼないので問題ありません。
ドロー手段も多いから、ピッチコストに困ることもそうないだろうしな。



残忍な騎士

クリーチャー - ゾンビ・騎士 {1}{黒}{黒}
2/3
絆魂
残忍な騎士が死亡したとき、これをオーナーのライブラリーの一番下に置く。
迅速な終わり
インスタント - 出来事 {1}{黒}{黒}
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体を対象とし、それを破壊する。あなたは2点のライフを失う。(その後、このカードを追放する。あなたは後で追放領域からこのクリーチャーを唱えてもよい。)

大型の飛行クリーチャーが入っている対面で使用します。

入れ替え先は《呪われた者の王》か《死の男爵》



完全無視

インスタント {2}{黒}
欠色(このカードは無色である。)
パワーが3以下のクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。

《ヴェクの聖別者》対策。「ボロスバーン」や「ハンマータイム」などが対面ならサイドインします。

最近は《ヴェクの聖別者》の採用も減ってきているので、この枠は好きなカードに変えてしまって大丈夫だと思います。



広告






デッキをさらに強化するには?

現状、強化の余地はほぼありません。

デッキ全体がゾンビシナジーで満ちた構築になっていることからカードを交換しづらいこと、採用しているゾンビもモダンのカードプールからあらゆるカードを試した上で厳選したものであることから、これ以上の強化は今後の新カード次第という状況です。

(強いて言うなれば、《腐敗した再会》の枠を1枚《ダウスィーの虚空歩き》に、《完全無視》の枠を《滅び》にすれば今のメタゲームを戦いやすくなるかもしれません)



良くも悪くも完成されているリストなのです。
カスタマイズして楽しみたいというプレイヤーにはツラいところかもな…
「赤単果敢」の方は好きなカードでカスタムする自由度があるのですが、如何せんこちらはゾンビシナジーと生贄のシナジーとで固めているのでカスタマイズ性が低いんですよね…
「安くて強いデッキ」はカードじゃなくてデッキが強い構築にせざるを得ないからな。
ちょっと弄れば弱くなるような繊細なものになってしまうのも当然か。



広告






まとめ

というわけで黒単ゾンビの紹介でした…!
うーん、今回も長かったな…
記事もだが、リストの調整期間が長かった。
今の混沌極まるモダンで勝てるようになるまで、かなり紆余曲折ありましたからね…
ロード抜いたりロード入れたりな…
《朽ちゆくゴブリン》とか《疫病吹き》も試しましたね…弱かった…


いやまぁ…弱いカードじゃないんだが、メタゲームにもデッキにもハマってなかった感じだな。


細かく説明しましたが、記事の内容は頭の片隅に入れておく程度で大丈夫ですよ。
まあ、全部覚えてなくてもデッキは回せるしな。
実戦で上達していけばいい。
ですね!
実際にデッキを組んだ場合にはこの記事をブックマークしておいて、ときどき見返すといいかもです。
「あそこであのテクニックを使えばよかったのか」みたいな気づきがあるかもな。


今回もおつきあいくださりありがとうございました。
またの記事でお会いしましょう…!
それじゃあまたな…!



この記事を共有する
  • B!


広告




関連記事

おすすめ記事

ランダム

プロフィール

らすとさば
TCGプレイヤーです。主にMTGを安くカジュアルに楽しむ記事を書いています!