にじさんじコラボパック『異次元の超獣使い』無忖度レビュー③【分割版】


記事概要
  • 地雷冥土The World is Mine(花畑チャイカ)と、守護地龍 ザノウハウ(社築)の2枚への事前レビューです。
  • 本記事は、本サイトに掲載されている別の記事を分割して掲載したものになります。
  • 本記事は、コラボパック発売前に買っておくカードを選定するために、筆者が個人的に作成したメモを再編集したものであり、それゆえにレビューに容赦のない部分があります。

地雷冥土The World is Mine(花畑チャイカ)

闇/自然文明 {6}
クリーチャー:デーモン・コマンド/アウトレイジ 9000
  • リベンジ・チャンス:各ターンの終わりに、相手の、コスト9以上またはパワー15000以上のクリーチャーがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
  • ブロッカー
  • W・ブレイカー
  • このクリーチャーがタップした時、相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。その後、その選んだクリーチャー以下のコストの、進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地から出してもよい。

チャイカデッキ(がどういうものになるかはわかりませんが)に限らず、あらゆるデッキで採用されうるカードです。

リベンジチャンスの条件は厳しめですが、対戦相手が《DARK MATERIAL COMPLEX(クラヤミノコンゲンコンプレックス)》を出していれば出せるので、最速後攻1ターン目の登場もあり得ます。

それもすごい上振れというわけではなくて、まあまあな頻度で発生します。

DARK MATERIAL COMPLEX
闇文明 {1}
クリーチャー:パンドラ・ボックス 25000
  • ワールドブレイカー
  • このクリーチャーはタップして出る。
  • 他のクリーチャーが離れた時、または自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目を表向きにして、このクリーチャーの下に置いてもよい。
  • このクリーチャーの下のカードが7枚以下なら、このクリーチャーは離れず、アンタップしない。
  • このクリーチャーの下に8枚目のカードが置かれた時、このクリーチャーをアンタップする。
  • このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚、墓地に置いてもよい。そのカードがクリーチャーなら、自分の墓地から出す。

今知っておくべき「コンプレックス」というカード

非常に難解なクリーチャーで、歴の長いプレイヤーでもしばしば挙動を間違えるほど。初見の方が一読しただけで挙動をイメージするのはむずかしいと思うので、以下に整理します。
  • 自ターンのはじめと、クリーチャーが場を離れたときに、山札から《DARK MATERIAL COMPLEX》の下へカードを入れる。
  • 下に入れたカードは《DARK MATERIAL COMPLEX》が起動するまでのカウントアップで、カウントが8になればアンタップして攻撃可能になる。カウントが8未満であれば無敵状態だがアンタップできない。
  • 攻撃時に、下にカウントとして敷き込んだクリーチャーを1体出せる。こうすることで、カウントが7まで減少し、無敵状態に戻る。
  • 上記の攻撃時誘発で相手や自身のクリーチャーを除去するクリーチャーを出せば、即座に7から8へとカウントが回復し、攻撃可能状態に戻る。すなわち無限攻撃可能
最大限平易に言えば「1マナの、無限攻撃が可能で、除去が困難で、クリーチャーのタダ出しもできる、ワールドブレイカー」です。デメリットは動けるようになるまでのラグですが、それも4ターンあれば余裕で達成できます。

ギャイアを倒せる

《地封龍ギャイア》を破壊できるのもこのカードの魅力。

《地封龍ギャイア》は出せれたら負けといっても過言ではないくらい強いクリーチャーなのですが、それに対してリベンジチャンスから鮮やかにカウンターを決めることができます。

地封龍 ギャイア
自然文明 {9}
クリーチャー:ガイア・コマンド・ドラゴン/暴拳王国 18000
  • Q・ブレイカー
  • 相手の「このクリーチャーが出た時」で始まる能力を持つクリーチャーが出る時、相手はかわりにそのクリーチャーをマナゾーンに置く。
  • 自分のターン中、クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。

最近は青黒コンプレックスデッキに《∞龍 ゲンムエンペラー》が採用されていたりしますが、これに対してもカウンターできますね。

しかも《∞龍 ゲンムエンペラー》はコストが∞なので、破壊時のリアニメイトでなんだって出せてしまいます。《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》のような弩級のクリーチャーをリアニメイトして逆転ホームランという展開もあるかもしれません。

リアニメイト

墓地からクリーチャーを場に出す操作の俗称。1997年にリリースされた同名のMTGカードに由来するとされる(2025/1/29確認時点でFandom版MTG英wikiに該当の記述あり)

ハイパーエナジーと組み合わせる

なお、《地雷冥土The World is Mine》のクリーチャー破壊はタップ時の誘発型能力ですが、これは攻撃時、ブロック時のほかに「ハイパーモード」や「ハイパーエナジー」を使用したときにも誘発します。

爆翠月 ドリアン
自然文明 {6}
クリーチャー:ワイルド・ベジーズ 5000
  • S・トリガー(このクリーチャーをシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ召喚してもよい)
  • ハイパーエナジー(このクリーチャーを召喚する時、コストが異なる自分のクリーチャーを好きな数タップしてもよい。こうしてタップしたクリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを2少なくする。ただし、コストは0以下にはならない)
  • このクリーチャーが出た時、クリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。

特に注目すべきは「ハイパーエナジー」との組み合わせでしょう。

安全にタップ時誘発を使うことができますし、序盤に他のクリーチャーと重複しづらい「コスト6」が、ハイパーエナジーを使う上ではすごく便利だったりします。

安全に

現代のデュエルマスターズではシールドトリガーがすさまじく強いので、相手プレイヤーを攻撃するリスクが非常に大きい。そうした事情から、相手プレイヤーを攻撃せずに「攻撃時」や「タップした時」の能力を使うことができるカードは「安全である」として高く評価される傾向がある。
《DARK MATERIAL COMPLEX》を1・2ターン目に着地させるのは強力な動きなのですが、そこに裏目が生じたのはデュエマのゲーム性に対して大きなインパクトがあります。

裏目

慣用句「裏目が出る」の「裏目」のこと。裏目が出るリスクがあることと、その裏目がどんなものなのか、ということを同時に説明できる機能的なカードゲームスラング。例)1ターン待ってから総攻撃を仕掛けたいが、今仕掛けなければ次の相手ターンで戦況を覆されてしまう裏目もある。

リベンジチャンスは相手のターンに使うのが無難

リベンジチャンスは自分のターン終了時にも、相手ターン終了時も使用できますが、極力相手ターンの終了時に使用した方がよさそうです。

というのも、現環境には《流星のガイアッシュ・カイザー》というカードがいて、「相手が」コストを支払わずにカードを使った「相手の」ターンの終わりに、0マナで召喚することができるという誘発型能力を持っています。

流星のガイアッシュ・カイザー
水/自然文明 {6}
クリーチャー:ブルー・コマンド・ドラゴン/グリーン・コマンド・ドラゴン/ハンター 8000
  • 相手のターンの終わりに、相手がそのターン中、マナゾーンのカードをタップせずに、クリーチャーを出すか呪文を唱えていて、バトルゾーンに自分の 《流星のガイアッシュ・カイザー》がなければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
  • W・ブレイカー
  • このクリーチャーが出た時、カードを2枚引く。
  • 自分のコスト10以上のクリーチャーの召喚コストを4少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
  • 相手のクリーチャーは出たターン、自分を攻撃できない。

その他の能力も「出た時カードを2枚引く」「コスト10以上のクリーチャーの召喚コストを4軽減」「相手のクリーチャーは出たターン、自分を攻撃できない」と滅茶苦茶に強い。

自分のターンの終わりにリベンジチャンスを使ってしまうと、《流星のガイアッシュ・カイザー》の誘発条件を満たしてしまい、ガイアッシュが飛び出してくる恐れがあります。 (ターン終了時に誘発する能力のうち、使用宣言を要するものは、ターンプレイヤーが誘発宣言と能力解決をおこなってから、非ターンプレイヤーが誘発宣言と解決を行うことになっているため、このようなことが起こります。総合ルール 511.1)

コンプレックスデッキにおいて《流星のガイアッシュ・カイザー》が採用されるのは稀ですが、まあまあ採用例(入賞例)があるので注意しておいて損はないでしょう。


《地雷冥土The World is Mine》は、最近の手札誘発カードにしては珍しく、2枚以上タダ出しできるんですよね。
え、こんなのがいきなり2体も出ちゃうの?
相手に《DARK MATERIAL COMPLEX》がいれば、ですね。
ただ、これでコンプレックスデッキに勝てるなら、もっとカンクロウが暴れていてもよさそうなのですが…

剛撃無双カンクロウ
自然文明 {9}
クリーチャー:アース・ドラゴン/ジャイアント/サムライ 19000
ワイルド・ソウル
  • リベンジ・チャンス-各ターンの終わりに、バトルゾーンに相手のコスト11以上またはパワー18000以上のクリーチャーがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
  • Q・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを4枚ブレイクする)

え…こんなカードあったんだ…!?
でも、味方クリーチャーをリアニメイトできないから別物なんじゃないの?
それはそうなのですが、先手1ターン目の《DARK MATERIAL COMPLEX》にリベンジして出た《地雷冥土The World is Mine》は何もリアニメイトできませんからね。2ターン目、3ターン目でもたぶんリアニメイトできない。
そうなると、高い打点で押し切ってしまえるぶん、最序盤はカンクロウのほうに分があるんですよ。
うーん、でもクリーチャーを除去できるのはえらいと思うけどなぁ…
それはそうなんですけどね。
たとえば《同期の妖精 / ド浮きの動悸》なんかを気兼ねなく除去できますし…
ただ、それをコンプが見えてる状況でやりたいかというと、ちょっと微妙かな。

同期の妖精
水文明 {2}
クリーチャー:ジャイアント・スノーフェアリー 2000
  • 相手がクリーチャーを選ぶ時、可能ならこのクリーチャーを選ぶ。
  • メガ・ラスト・バースト(このクリーチャーが離れて、手札、マナゾーン、または墓地に置かれた時、このカードの呪文側をコストを支払わずに唱えてもよい)

ド浮きの動悸
水文明 {4}
呪文
  • S・トリガー
  • 相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。
  • カードを1枚引く。

たしかに。カウントが進んじゃう。しかも《ド浮きの動悸》で返されると2カウントじゃん…
そうなんですよ。除去するたびにカウントが進む。結局、1ターン目に《DARK MATERIAL COMPLEX》を出されてしまったら、その時点でこちらが後手に回っているんですよね…
でもたぶん、問題はそこじゃないかな。
…というと?
カンクロウの採用率が低いのは、たぶんカンクロウがコンプレックス以外の対面でダブつくからで、それはリベンジチャンスの条件が厳しい《地雷冥土The World is Mine》にも当てはまってしまうんですよ。
カンクロウの射程圏外であるコスト9、コスト10にもリベンジチャンスできますが、それでどれだけ使い勝手がよくなるのかってところですね。それは新環境次第なので…
うーん、要するに使ってみないとわからないってことだよね…?
要するに使ってみないとわからないってことです。
発売後に使ってみたらわかりますよ。
そりゃそうでしょ。




守護地龍 ザノウハウ(社築)

水/自然文明 {8}
クリーチャー:ジャイアント・ドラゴン/スノーフェアリー 12000
  • シンパシー:スノーフェアリー(自分のスノーフェアリー1つにつき、このクリーチャーの召喚コストを1す少なくする。ただし、コストは0以下にはならない)
  • マッハファイター
  • T・ブレイカー
  • このクリーチャーが出た時、カードを3枚まで引く。
  • 自分のスノーフェアリー・クリーチャーすべてに「セイバー:スノーフェアリー」を与える。(自分のスノーフェアリーが破壊される時、「セイバー:スノーフェアリー」をかわりに破壊してもよい)

色々考えてみたのですが、用途がわかりませんでした。

というのも、現状スノーフェアリーデッキがあまり活躍できていないんですよね。

現状のスノーフェアリーデッキでは《恋愛妖精アジサイ》で手札を補給していたりするのですが、そこが《守護地龍 ザノウハウ》に変わったりするでしょうか。

恋愛妖精アジサイ
自然文明 {4}
クリーチャー:スノーフェアリー 3000
  • 自分のスノーフェアリーが出た時、カードを1枚引いてもよい。
  • このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにマナゾーンに置く。

とりあえず、現状のデュエルマスターズにおいて強いといわれるスノーフェアリーを枚挙しておきます。

スノーフェアリーはまだまだここから

にじさんじコラボパックや他人数戦用構築済みデッキ「アセビと異世界フェアリーたち」で強力な新規スノーフェアリーが収録されて、《守護地龍 ザノウハウ》を強く使えるということもあるかもしれません。

スノーフェアリーにはここから二段階の強化が控えているので、まだまだ真価が見えていないカードです。

ちなみにスノーフェアリーは「ファンタジーBEST」というセットにもたくさん収録されてます。ザノウハウを使いたい人はそっちも要チェックですね。





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にじさんじコラボパック『異次元の超獣使い』無忖度レビュー①【分割版】

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