《恨み唸り》:暴発に要注意な6点火力除去をレポート【モダンカードメモ】

カードの基本情報

恨み唸り

マナ・コスト (5)(赤)
タイプ クリーチャー — エレメンタル
P/T 6/1
テキスト

恨み唸りが戦場を離れたとき、クリーチャー1体を対象とする。恨み唸りはそれに6点のダメージを与える。
想起{1}{赤}{赤}(あなたはこの呪文を、これの想起コストで唱えてもよい。そうしたなら、これが戦場に出たとき、これを生け贄に捧げる。)


収録セット
結構再録多いんだな。
黒の入ってない統率者デッキに汎用性の高い除去呪文として収録されてたみたいですね!
シングル参考価格
  • Wisdom Guild トリム平均:¥25
  • MTG GOLDFISH: $0.29
(2022/5/31現在)



採用リスト
ラクドスエレメンタル(本サイト紹介リスト)





赤単色の高性能な除去として

現在は《邪悪な熱気》がありますが、『モダンホライゾン2』以前は赤単色でタフネスが5点以上あるクリーチャーを焼くには、デメリットがあるかマナ・コストが重い呪文を使用する必要がありました。

《恨み唸り》は想起で唱えれば、3マナ6点火力除去のソーサリーとして運用できるエレメンタル。


その中で、赤の高火力除去呪文でありながら、比較的クセのない《恨み唸り》は白や黒の確定除去スペルが入らないデッキ(「ヴァラクート」や「5Cエレメンタル」など)のサイドボードで有用な呪文でした。


しかしながら、先述の通り《邪悪な熱気》が登場したことより状況が一変します。

条件付きではあるものの、わずか1マナでタフネス6を償却できる《邪悪な熱気》の登場は、たった1枚で「赤の除去は高タフネスに弱い」というパラダイムを打ち砕くのに十分な性能であり、わざわざ《恨み唸り》をサイドボードする理由はほとんどなくなってしまいました。

今後《恨み唸り》を採用する場合は、「6点火力」だけでなく、「2種類のコストを持っていること」や「エレメンタルであること」など他の性質も活かしてやる必要がありそうですね。


5Cエレメンタルの場合、サイドとメインの両方で《恨み唸り》を採用してるリストも多かったよな。
今でも5Cエレメンタルではメインから1枚ほど採用されてますが、サイドボードでは見られなくなりましたね…
今は《孤独》があるからなぁ…





《稲妻の骨精霊》デッキのオプションとして

タフネス1のエレメンタルであり、想起によって能動的に墓地に送ることができるため、《雷族の呼び覚まし》のリアニメイト先として使用することも可能です。

《雷族の呼び覚まし》でリアニメイトすれば、わずか2マナで対戦相手に7点ものダメージを負わせることができ、打撃力は十分。


一見非常に噛みあったコンボに見えますが、実は大きな欠点があります。

…というのは、「対戦相手がクリーチャーをコントロールしていない状況で、《雷族の呼び覚まし》から《恨み唸り》をリアニメイトしてしまうと、味方一体を犠牲にしてしまうこと。
多くの場合、《雷族の呼び覚まし》をロスしてしまうことになるかと思います。

《唸り唸り》の死亡時誘発能力の発動は、《孤独》などとちがって任意ではないため、ターン終了時の自壊で誰かが犠牲になってしまうというわけですね…


いや…《雷族の呼び覚まし》ってP/Tが小さいから、相手クリーチャーがいる状況では殴れないカードだろ。
見事なアンビバレンツだな。
そうなんですよね…
もっとも、2マナで7点のバーンダメージはそれはそれで優秀なので、機を見て使えば強いと思います。
なるほどな。
あとは、2体以上相手のクリーチャーがいる状況で《雷族の呼び覚まし》で攻撃して《恨み唸り》をリアニメイトすれというのもアリか。
恨み唸りをブロックすればクリーチャーを2体ロス、ブロックしなければ6点ダメージとクリーチャー1体のロス…とどっちに転んでもつらい選択を迫ることができるからな。





暴発の危険性

《恨み唸り》による破壊が戦場を離れたときの誘発型能力であること、その誘発型能力の使用がに任意ではないことから、《恨み唸り》は対戦相手によって悪用されかねない危険性を秘めています。

例えば以下のケース。
対戦相手が《セラの天使》をコントロールしており、自身が《シヴ山のドラゴン》をコントロールしている状況を想定します。 《セラの天使》を除去すべく、こちらが《恨み唸り》を「想起」コストで唱えたとき、これにスタックして対戦相手が《セラの天使》に《送還》を唱えると、《唸り唸り》は味方の《シヴ山のドラゴン》を破壊してしまいます。


普通の除去呪文であれば《セラの天使》をしとめ損ねるだけですが、《恨み唸り》の除去は誘発であり、対象を取るタイミングが呪文を唱えたときではないためこのようなことが起こってしまうわけですね。


《貪欲なチュパカブラ》のように「対戦相手の」という指定があったり、《激情》のように誘発型能力の使用が任意であれば使いやすかったのですが…
相手が悪用できないか意識して使わないといけないのはむずかしいよな。
玄人向けのカードって感じだ。





誘発型能力は、実は死亡時以外にも誘発するので

《恨み唸り》の6点ダメージは「戦場を離れたとき」なので、実はバウンスなどでも誘発します。

…なので、《一連の消失》のような呪文と組み合わせれば、「想起」で唱えた《恨み唸り》を使いまわすこともできてしまいます。


「想起」をバウンスで使いまわすデッキを組むなら《激情》や《熟考漂い》も併せて使えるでしょうか?

《後追いの呼び声》で《恨み唸り》をバウンスすれば、カードアドバンテージを得ることができますが…これはむしろ《激情》との相性が良いので、リストを調整しているうちに《恨み唸り》の採用枚数が減ってしまいそう…





インスタントタイミングの生贄と組み合わせる

いくつかの点で《恨み唸り》は、インスタントタイミングでの生贄と相性が良好です。

ひとつは単純にカード1枚分のアドバンテージが得られること。
分かりやすい例では《村の儀式》が挙げられるでしょうか。
本来クリーチャー1体を犠牲にするこの呪文は2:2交換しかできないのですが、「想起」の直後なら1マナ2ドローとして使用できるわけで、「想起」との組み合わせによりカードアドバンテージを得られるようになっています。


もうひとつは、インスタントタイミングの生贄は、上の項の《恨み唸り》の「暴発」を防止するのにも使えること。

対戦相手が恨み唸りを暴発させようと起こしたアクションに対して、スタックで《恨み唸り》を生贄に捧げてやれば、《恨み唸り》で味方クリーチャーを潰すことは避けられます。


《ゴブリンの砲撃》とも相性よさそうだよな。


ですね! 上手くいけな2体まとめて除去…なんてこともできるでしょうし。





その他

2種類のコストを活用する

《恨み唸り》のマナ総量は6点ですが、「想起」コストは3マナ。 この実質的なマナ・コストと、マナ総量とが乖離しているおかげで、《恨み唸り》は「続唱」を阻害しない除去呪文として使用することができます。

他には、ニューカペナで登場した「墓地のマナ総量の種類を参照するメカニズム」と組み合わせることも考えられますが、こちらはあまり実践的ではなさそうですね…


クリーチャー呪文である強み

クリーチャー呪文である…つまり非クリーチャー呪文ではない除去であることは、除去の確実性という点で魅力的。

《呪文貫き》や《否定の力》に阻まれないのはもちろんのこと、《聖域の僧院長》のようなクリーチャーも除去することも可能です。 もっとも、これらは《激情》や《孤独》にも当てはまることなのですが…






まとめ

《雷族の呼び覚まし》でリアニメイトするか、サクるか、バウンスするかして、《邪悪な熱気》やエレメンタル・インカーネーションと差別化しましょう…という話でした!
普通に使うと競合が多いから、上手くデッキのシナジーの中に組み込んでやりたいな。



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プロフィール

らすとさば
TCGプレイヤーです。主にMTGを安くカジュアルに楽しむ記事を書いています!