予算15000円「講義履修ビートダウン」MTG格安モダンプレイレポート


記事概要
  • 『アバター:伝説の少年アン』の講義カードを活用してモダンフォーマットの安価デッキを組み、イベントに参加してきました。
  • 記事執筆時点でのデッキ参考価格は15000円程度です(Wisdom Guildトリム平均価格を参照、2025/12/6日確認)
  • デッキを店舗イベントに持ち込んでいたのは2025年11月~12月の期間で、三回参加。最高戦績は不戦勝込みの3-0でした。

待望の新セット『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』が発売されたな…!

もう発売されてから四週間くらい経ちますよ…
エッ…。
…。
(もうそんなに経つの…)




『アバター・アン』、意外と良いセットでしたよね。
新しいデッキとか組みましたか…?
あ、あぁ…組んだぞ…!
やっぱり新ギミック軸ですか?
「気の技」?「土の技」?
いや、「講義」だ。

講義(Lesson)

呪文が持つサブタイプのひとつ。講義・カードは、後述する「履修」によって、ゲーム外(構築イベントではサイドボード)から手札に加えることができる。
あ…そっちなんだ!?
あんまり注目されてないけど、今回の「講義」は強いんだよな。
既存カードの上位互換みたいなのが多くて、それぞれ構築級の性能になってる。
《金属の技の原点》は《帰化》の上位互換。《自由の代価》は対象が相手に限定されたが、アーティファクトも割れるようになった《浄化の野火》
これまでの「履修」は「弱いカードで弱いカードを持って来る」って感じだったけど、今回の「講義」追加で「弱いカードで平均的なカードを持ってくる」程度にはなったな。

履修(Learn)

キーワード処理の一種で「ゲーム外部(構築イベントではサイドボード)から講義・カードを公開し、手札に加える」という操作を行う。講義を手札に加える代わりに「手札1枚を捨ててカード1枚を引く」という操作を行うこともできる。
そう聞くとあんまり強そうじゃないですけど…
まあ、字面は地味かもな…
「平均的なカード」といっても、各状況において最適な一枚を持ってくるわけだからな。ただのドローよりも断然に良質。
「履修」一回が、《思案》の一発分くらいにはなったかもしれない。
そういわれると、すごい強化幅ですね。
だろ。実際に強化が入ったのは「講義呪文」だけど、それを持って来る「履修呪文」側の使い勝手が格段に良くなってる。

デッキリスト

メインデッキ

クリーチャー

4 僧院の速槍  ¥90
4 損魂魔道士  ¥300
4 炎樹族の使者  ¥70
3 探索するドルイド  ¥380
3 砕骨の巨人  ¥150

呪文

4 学術論争  ¥30
4 稲妻  ¥380
3 魔力変  ¥630
4 炎血の発想  ¥30
4 ミシュラのガラクタ  ¥370

土地

4 銅線の地溝  ¥470
2 獲物道  ¥60
3 カープルーザンの森  ¥430
2 根縛りの岩山  ¥200
10  ¥30
2  ¥30

サイドボード

1 火の技の修行  ¥90
1 溶融  ¥210
1 震動感覚  ¥100
2 形成師の聖域  ¥300
1 愛着を捨てる  ¥110
1 アイローの表演  ¥70
1 自由の代価  ¥170
1 紅蓮地獄  ¥140
1 金属の技の原点  ¥110
1 祖先の真実  ¥50
1 アンの旅  ¥30
2 運命の神、クローティス  ¥420
1 ズーコの追放  ¥40

参考価格

メインデッキ:¥12610
サイドボード:¥2560
合計:¥15170

※参考価格はWisdom Guild掲載のトリム平均価格を切り上げたもの。2025年12月6日確認。
※通販などで買い揃える場合は、送料や手数料を加味しても、上記よりも二割ほど安く買い揃うのではないかと思います。




戦績

2025年11月21日

①ストーム✕◯✕
②ホロウワン✕◯◯
③御霊(オリジナル構築)✕✕
1-2

2025年11月29日

①ウィノータ◯✕◯
②ストーム✕✕
③親和(オリジナル構築)✕✕
1-2

2025年12月5日

①不戦勝
②ヨーグモス◯◯
③ホロウワン◯◯
3-0

3-0(全勝)してる…!?
うん、まぁ…
全勝した12月5日の回は苦手対面がなかったからな。
あと、三回目の参加だからってのもある。
習熟した…ってことですね。
イベントに参加しているうちに、デッキの扱いが上手くなったと。
やっぱり、そういうのはあるよ。今回は特にそう。
今まで「履修・講義」で真面目にデッキを組んだことなかったから、「履修」の上手いやり方がわかってなかったんだよな…




講義履修の強み

このデッキ、大量に「講義」と「履修」が入ってますけど…
「講義・履修」の強みというのは、やっぱり「柔軟に戦えること」でしょうか?
もちろん、それもある。
それも込みで「継戦能力が高い」といった方が妥当かもしれない。
「継戦能力」…?
たとえば、この《祖先の真実》。
あんまり注目されれないけど、かなり強い。

祖先の真実

ソーサリー - 講義 {1}{緑}
あなたの墓地にあるパーマネント・カード最大1枚を対象とする。それをあなたの手札に戻す。
手掛かり・トークン1つを生成する。(それは、「{2}, このトークンを生け贄に捧げる:カード1枚を引く。」を持つアーティファクトである。)

手がかり生成とパーマネント回収で、1:2交換のリソース呪文ですね。
緑単色でこれができるのはすごいかも。
だろ?
こういうリソース回復手段が、たとえば《炎血の発想》みたいな火力呪文から生えてくるわけ。

炎血の発想

ソーサリー - {2}{赤}
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。炎血の発想はそれに3点のダメージを与える。
履修を行う。(あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーである講義・カード1枚を公開しあなたの手札に加えるか、カード1枚を捨てカード1枚を引くか、どちらかを行ってもよい。)

別に《祖先の真実》を取らずに、《金属の技の原点》で相手の危険なパーマネントを処理してもいい。
リソースは尽きない、ヤバいパーマネントは除去できる。
そういう感じで、「講義・履修」はゲームを継続する能力に優れてるんだよな。

金属の技の原点

インスタント - {1}{緑}
以下から1つを選ぶ。
・アーティファクトやエンチャントである1つを対象とする。それを破壊する。
・あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター1個を置く。ターン終了時まで、それは破壊不能を得る。(ダメージや「破壊」と書かれた効果では、それは破壊されない。)

なるほど…じゃあ、コントロールやミッドレンジで優秀なテーマということでしょうか…?
いや、それも違う気がする。
だって今のMTGは多機能でパワフルなカードが多いからな。
防御と除去、墓地肥やしにゲームエンドまで担当できる《飢餓の潮流、グリスト》とか。
墓地対策しながらリアニメイトもできる《骨の皇帝》とか、そんなのばっかりですよね。
そうそう。安いカードでも性能盛りまくりのがいるからな。
今回サイドボードに積んでる《運命の神、クローティス》も300円で買ったけど、すごいぞ。
置いてるだけで墓地対策しながらゲームに勝てる。

運命の神、クローティス

伝説のクリーチャー・エンチャント - 神 {1}{赤}{緑}
破壊不能
あなたの赤と緑への信心が7未満であるかぎり、運命の神、クローティスはクリーチャーではない。
あなたの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、墓地からカード1枚を対象とし、それを追放する。それが土地・カードであるなら、{赤}か{緑}を加える。そうでないなら、あなたは2点のライフを得て、運命の神、クローティスは各対戦相手にそれぞれ2点のダメージを与える。

そう考えると、履修して講義してって…なんか冗長ですよね。
サイドボードの枠を圧迫するのも勿体ない気がしてきました。
アタシもそう思う。
ただのグッドスタッフとして使うとダメなんだよな。
柔軟性は抜群なんだけど、カードパワーが足りてない。
そうなると、なにか一工夫欲しくなりますね。
それで考えたのが「果敢」だった。
履修呪文で一回誘発、持ってきた講義呪文でもう一回誘発…というわけですね。
そうそう。
《祖先の真実》で《ミシュラのガラクタ》を拾って即キャストすれば果敢が二回誘発、という小業もある。
《ミシュラのガラクタ》は能力起動後にカードを1枚引くことができるので、《祖先の真実》で回収すれば手札消費を差し引き0枚にできる。《祖先の真実》から生成された「手がかり」でドローすれば、手札の収支は+1枚。
普通にドロー手段としても強そうですね。
実際いいぞ。
これ以外だと、《愛着を捨てる》も使いやすい。
こうやってリソースを補充し続けるから、毎ターンコンスタントに果敢を誘発できるんだよな。

愛着を捨てる

インスタント - 講義 {1}{赤/青}
あなたはカード1枚を捨ててもよい。そうしたなら、カード2枚を引く。




リソースは使い切るくらいがちょうどいい

《炎樹族の使者》の採用意図が気になりますね。 大胆というか、意味が分からないというか…

炎樹族の使者

クリーチャー - 人間・シャーマン {赤/緑}{赤/緑}
2/2
炎樹族の使者が戦場に出たとき、あなたのマナ・プールに{赤}{緑}を加える。

印象的なカードだけど、採用してるデッキは珍しいよな。
「奇襲隊」のようなデッキ純粋なアグロでの採用例はありますが、「果敢」で使ってるのは見たことがないですね。シナジーも薄いですし。
実際シナジーは薄い。これはリソースを「使いきるため」に入れてるんだ。
リソースを使い切る…?
なんのために…?
履修マシマシデッキだと、リソースが余っちゃうんだよな。講義を回収するから手札が減らない。
構築の都合上、当事者カードも入っているから、なおさら余る。
うーん…別に余ったとしても問題なくないですか?
まあ、それもそうなんだけど…
「ゲーム中にリソース回収呪文を何度もプレイして多くのリソースを集めたが、それらを使い切る前にゲームに勝利した」とき、結果論ではあるが、そのリソース回収は過剰だったことになるよな。
過剰なリソース回収を抑えて、もっと「勝つためのプレイ」をした方がいいのは言うまでもない。
何度もリソースの過剰が生じるのであれば、それは「構築を洗練する余地がある」ってことだと思うんだよな。
なるほど…
ただ、リソース回収が過剰だと思ったのなら「履修呪文を減らす」という選択肢もあったのでは…?
このデッキは《学術論争》も《炎血の発想》も4枚採用。
「履修呪文」の採用枚数を削った形跡がないですよね。
そう。履修呪文は削らなかった。
「講義履修」でリソースを補充・維持できるから、それを見込んで序盤からガンガン手札を減らしてクリーチャーを並べる、という方向で調整したんだ。
面白い発想ですけど、ピーキーですよね。
《炎樹族の使者》は、果敢デッキの挙動を乱しそうだと思うのですが…
実際乱してるな。初手でダブるとキープしづらいし。
ただ、そうまでしても履修呪文は削りたくなかった。
  • x1
  • x2
  • x1
  • x1
  • x1
  • x1
履修やリソース源が見えてない初手で《炎樹族の使者》がダブってしまうと、すぐに息切れして負けてしまいます。
それくらい「講義履修」がすごいってことですか?
もちろん、それもある。
でも一番は「メインデッキの履修呪文の強さは、サイドボードの講義呪文の枚数に比例する」ってとこだな。
取ってくる講義呪文が多い方が柔軟に使えますから、その分履修呪文が強く使えると…。
そうそう。
その逆に「メインデッキの履修呪文の枚数が多いほど、サイドボードの講義呪文が頻繁に活躍するようになる」というのもある。 履修呪文で講義呪文を回収する機会が多くなるんだから、当然だよな。


あ、たしかに…
じゃあ、両方ともにガッツリ枠を割いた方が強い…という理屈になりますね。
そうそう。そうやって、パワフルに履修呪文を使いたかったんだ。
そうした方が強いというより、「極振りされた講義・履修がどれだけ強いのか」を知った上で構築を練りたかったんだよな。




メインデッキがほぼ赤単だからできるマナベース

すごく独特なマナベースですよね。
基本山10枚、基本森2枚。
なんかポケカっぽいよな。
  • x10
  • x2
  • x4
  • x2
  • x3
  • x2
このデッキに採用されている土地の一覧(マナベース)
あー、たしかに。
ポケカって多色エネルギーが少ないから、こんな感じで基本エネルギーの比率でデッキを回そうとするんですよね。
そうなんだよな。
完全に予算圧縮の都合でこうなったわけだけど、結構テクニカルなマナベース構成になってると思う。
「メインデッキのカードは、ほぼ全部赤マナだけで使える」ところ…とかですね。
よく気づいたな。緑マナなしでも、一応デッキが回るようにしてあるんだよ。 土地事故で緑マナが用意できなかった場合には、「履修で緑色の講義呪文を取らない」という逃げ道が用意されている。
あとは、チェックランド、ショウランド、ペインランドの枚数を散らして採用することで、それぞれの弱点がキツく出ないようにしていますね。
これは私もよくやります。
左から「チェックランド」「ショウランド」「ペインランド」と呼ばれる。《根縛りの岩山》と《獲物道》にはイラストがFF7のものになっているバリエーションがあるので、マニアは在庫を確認しておくとよい。
この辺の土地はすごく安いけど、雑に4投するとそれぞれの悪いところが強烈に出ちゃうんだよな。
特にペインランド。初手ペインランドが2枚来ちゃうとキープできない。
有色マナを出すためのダメージだけで負けちゃいますからね…
そうそう。
それと、ファストランドは4投した。モダンにおいては、ほぼほぼノーデメリットだからな。 これが安くなってるのが最高なんだよな。
今ファストランド本当に安いですよね。
カラーリング間の価格差が大きいサイクルですが、大体どれも400円くらいで買えるようになってますね。
すごいよなぁ…
《黒割れの崖》は3年前から3000円下がってるし、今回使った《銅線の地溝》は1000円下げ。 《闇滑りの岸》と《金属海の沿岸》も2000円は下げてるな。
すごい。スタンダード再録の影響って大きいんですね…

安価土地の欠点

ショウランドは、ファストランド以上にアンタップインできる期間が短く、最序盤しかアンタップインしない。
中盤以降にアンタップインできるのはマナフラッドしている時だけだし、手札を公開する必要があるので「相手にマナフラッド」しているという事実を伝えてしまう。そうするよりは、相手に情報を与えないためにタップインした方がいい場面も多い。
チェックランドは、ショウランド以上に安定していて使いやすいが、基本土地とのコンビネーションでは第1ターン目に一方の色を出せない。たとえば、初手内の土地が《森》と《根縛りの岩山》という状況であれば、1ターン目には当然《森》をプレイするしかなく、1ターン目に赤マナを出すことができない。
というような安価土地の欠点を理解したうえで構築すれば、安くともそれなりに動く二色デッキを構築できる。具体的には「1マナ帯のカードを一方の色で統一しておけば、チェックランドが色事故を誘因するリスクを軽減できる」といった小業がある。




その他採用カードについて

ミシュラのガラクタ

アーティファクト {0}
, ミシュラのガラクタを生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーの一番上のカードを見る。次のターンのアップキープの開始時に、カードを1枚引く。
参考価格 ¥ 370

メインデッキに4枚採用

果敢の誘発役。

0マナのスロートリップなので、《獣の探索》(探索するドルイドの出来事面)でめくれたときに腐りづらいのもポイント。

手札に果敢クリーチャーが見えていなければ、1ターン目から設置→起動しちゃってOK。無理に温存せず、スロートリップで有効牌を探しにいきましょう。

スロートリップ

呪文が持つ効果のうち、メインの効果とは別に、オマケのような形でついている「カードを1枚引く」効果のことを「キャントリップ」という。そのキャントリップのなかでも、カードをすぐには引かず、次のターンに引くものを区別して「スロートリップ」と呼ぶことがある。


魔力変

インスタント {1}{赤/緑}
望む色の組み合わせのマナ2点を加える。
カードを1枚引く。
参考価格 ¥ 630

メインデッキに3枚採用

差し引き0マナで唱えることができるキャントリップ呪文。《ミシュラのガラクタ》の5~7枚目として採用したカードです。

なので、使い方や役割もおおむね同じ。

《ミシュラのガラクタ》とちがって《祖先の真実》で拾えませんが「《炎樹族の使者》が生成した{赤}{緑}を{赤}{赤}に変換できる」というあちらにはない強みがあります。


探索するドルイド

クリーチャー - 人間・ドルイド {1}{緑}
1/1
あなたが白や青や黒や赤である呪文1つを唱えるたび、探索するドルイドの上に+1/+1カウンター1個を置く。
獣の探索
インスタント - 出来事 {1}{赤}
あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。次のあなたの終了ステップまで、それらのカードをプレイしてもよい。
参考価格 ¥ 380

メインデッキに3枚採用

出来事面が衝動ドロー、当事者面が果敢っぽい能力持ち、という果敢デッキおあつらえ向きな構成の当事者カード。

当事者カード(Adventurer Card)

テキスト欄の左半分に「出来事」呪文がプリントされているカード。それ以外の領域には「当事者」としての特性がプリントされている。
当事者カードは「出来事」として唱えることも、「当事者」として唱えることもできる。出来事として唱えられた当事者カードは追放され、追放領域から当事者として唱えてもよい状態になる。
当事者カードがスタック以外(たとえば手札、戦場、墓地)で参照される場合、「当事者」としての特性のみが参照される。スタック上で参照される場合は、それが出来事として唱えられているなら出来事側の特性が、当事者として唱えられているなら当事者としての特性が参照される。
出来事カードの良いのは、《振動感覚》や《祖先の真実》のようなパーマネント回収カードから拾えるインスタント/ソーサリーである点です。

これは《砕骨の巨人》についても同様。

2点バーンとか、衝動ドローとか、そういった即効性のある選択肢をパーマネント回収から用意できる。このことによって、パーマネント回収呪文が俄然使いやすいものになります。

《獣の探索》の衝動ドローは、《無謀なる衝動》などと違って「そのターンの終了時まで」である点に要注意。なので、基本的には対戦相手のターンの終了時に唱えることになります。土地が4枚以上起きていれば、自ターンの戦闘前メインフェイズに唱えてもいいでしょう。


砕骨の巨人

クリーチャー - 巨人 {2}{赤}
4/3
砕骨の巨人が呪文の対象になるたび、砕骨の巨人はその呪文のコントローラーに2点のダメージを与える。
踏みつけ
インスタント - 出来事 {1}{赤}
このターン、ダメージは軽減できない。1つを対象とする。踏みつけはそれに2点のダメージを与える。
参考価格 ¥ 150

メインデッキに3枚採用

とにかく使い勝手が良くて強いカードです。しかも安い。

当事者面の巨人は優秀ですが、3マナと微妙に重たいのがネック。デッキのゲームレンジにもよりますが、出来事→当事者とフルコースで唱えることができるのはゲーム中一回程度。考えなしに4投してしまうと、追放領域で巨人がダブつくことも。今回のデッキでは3枚採用にとどめました。

採用枚数を2枚まで削って、1枚分デッキスロットを《探索するドルイド》に譲ろうかとも思いましたが、やめました。

出来事面の《踏みつけ》が《炎樹族の使者》の{赤}{緑}から唱えるのに丁度よく、デッキの動きの安定に寄与していると感じたからです。


学術論争

インスタント {赤}
クリーチャー1体を対象とする。このターン、それは可能ならブロックする。あなたは「ターン終了時まで、そのクリーチャーは到達を得る。」を選んでもよい。
履修を行う。(あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーである講義・カード1枚を公開しあなたの手札に加えるか、カード1枚を捨てカード1枚を引くか、どちらかを行ってもよい。)
参考価格 ¥ 30(流通数激減につき入手難)

メインデッキに4枚採用

「いくら最軽量の履修呪文であるとはいえ、ただ強制ブロックを付けるだけの呪文ってどうなんだろう…」と思っていたのですが、かなり強力なカードでした。

果敢デッキであれば、果敢のサイズアップ分で一方勝ちしやすく、案外に除去呪文として使えるという印象でした。

敵クリーチャーがいなくても、味方クリーチャーを対象すれば唱えることができるので、「履修」だけという使い方がしやすいのも良いですね。

《学術論争》唱えた時点で《僧院の速槍》は2/3。相手が熊サイズなら簡単に倒せるんだよな。


炎血の発想

ソーサリー {2}{赤}
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。炎血の発想はそれに3点のダメージを与える。
履修を行う。(あなたは、ゲームの外部からあなたがオーナーである講義・カード1枚を公開しあなたの手札に加えるか、カード1枚を捨てカード1枚を引くか、どちらかを行ってもよい。)
参考価格 ¥ 30

メインデッキに4枚採用

こちらも使ってみたらものすごく強かったカード。

3点火力でクリーチャーを除去して、《火の技の修行》を履修すれば二面除去。《振動感覚》を取ってくれば有利交換。単純にバーン呪文としてライフを削ってもよく、履修の柔軟性と相まって汎用性最高のカードでした。

初手でダブつくとツラいけど、基本的にいつ引いてもうれしいカードだったぞ。


アンの旅

ソーサリー {2}
キッカー{2}(この呪文を唱えるに際し、追加で{2}を支払ってもよい。)
あなたのライブラリーから基本土地・カード1枚を探す。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに、基本土地・カード1枚と祭殿・カード1枚を探す。それらのカードを公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。
2点のライフを得る。
参考価格 ¥ 30

サイドボードに1枚採用

講義呪文。もっぱらライフゲインが目的の採用です。

土地事故で緑マナが出ない際に、《森》をサーチしてくるということもできます。
ほとんど赤単なのに《森》を2枚採用しているのは、このカードからサーチできるから。

《森》は初手事故の原因になってるし、2点ライフゲインじゃ間に合わないしで正直イマイチ。
《森》ごと抜いてもいいかなって感じ。


ズーコの追放

インスタント {5}
アーティファクトやクリーチャーやエンチャントである1つを対象とする。それを追放する。それのコントローラーは手掛かり・トークン1つを生成する。(それは、「{2}, このトークンを生け贄に捧げる:カード1枚を引く。」を持つアーティファクトである。)
参考価格 ¥ 40

サイドボードに1枚採用

5マナは重すぎかと思いましたが、履修から「パーマネント追放」の選択肢を取れるのはさすがに便利ですね。

重すぎて使えないという状況なら、そもそもこのカードを履修しなければいいだけですし。

ゲーム中では、脱出した《炎の怒りのタイタン、フレージ》への対処として使用することがありました。そもそもこのカードを履修すること自体が《炎の怒りのタイタン、フレージ》の脱出を牽制できるなど、駆け引きの材料にもなります。

これのためにサイドボードを一枠割いてやる価値は十分あると感じました。


運命の神、クローティス

伝説のクリーチャー・エンチャント - 神 {1}{赤}{緑}
4/5
破壊不能
あなたの赤と緑への信心が7未満であるかぎり、運命の神、クローティスはクリーチャーではない。
あなたの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、墓地からカード1枚を対象とし、それを追放する。それが土地・カードであるなら、{赤}か{緑}を加える。そうでないなら、あなたは2点のライフを得て、運命の神、クローティスは各対戦相手にそれぞれ2点のダメージを与える。
参考価格 ¥ 420

サイドボードに2枚採用

登場したターンに何もできないのがツラいものの、カードパワーは絶大。置いているだけでゲームに勝てます。

毎ターンの墓地対策も便利で、《フレージ》の脱出のほか、様々な墓地活用を骨抜きにできます。

なお、信心によるクリーチャー化は期待できません。

このデッキはアグロ寄りのビートダウンですから、信心7(クローティス本体を除けば5)を達成するほどクリーチャーが並んでいれば、クローティスが動くまでもなく殴り勝っています。

クリーチャー化の部分は所謂「インクの染み」で、もっぱらはライフドレイン・墓地対策・破壊不能のエンチャントであると見るべきでしょう。

もっとも、クリーチャータイプのおかげで《振動感覚》から回収できるため、クリーチャータイプを持っていること自体は無意味ではなかったりします。


形成師の聖域

エンチャント {緑}

あなたがコントロールしているクリーチャーが1体、対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
参考価格 ¥ 300

サイドボードに2枚採用

果敢の誘発にも使えてリソース源にもなるということで、対フェアデッキのサイドボードとして採用したのですが、イマイチ感触が良くなかったカードです。

墓地対策カードに枠を譲ったほうが良いかもしれません。




決して強いデッキではないが…

アグロデッキなのに微妙に遅い

3-0ってすごいですね。 やっぱり、それだけ強いデッキに仕上がったということでしょうか。
いや、それはどうだろうな。
そこそこ勝てるデッキではあるんだが、「強い」という感じはしないな…
勝てるなら強いデッキなのでは…?
まあ、そうかもしれないが…
このデッキ、スピードに振りきっていないからな。アグロデッキであるにも関わず、毎ゲームまじめに盤面の取り合いをしないといけない。
《炎血の発想》あたりが露骨にデッキの速度を落としてますよね… よほど運が良くない限り速攻で逃げ切ることができなくて、中速域でガチンコの頭脳戦をすることになっちゃうと…
うん、そんな感じ。
負ける時は運かもしれないが、勝ってるときは全部地力。だからデッキに勝たせてもらえたって感じが全然しない。
個々のカードも突出して強いわけじゃないしな。



いまいち信頼できないデッキ

それと、アタシが思う強いデッキには「信頼感」があるんだ。
このデッキにはそれがない。
「信頼感」…?
MTGの勝利条件は、相手のライフ20点削りきることだけど、実質的な勝利条件をデッキやカードが提示していることも多い。
たとえば、《栄光の闘技場》から速攻をもらって《火の怒りのタイタン、フレージ》が脱出する。 ここでカウンターか除去が飛ばなければ、ほぼほぼゲームエンドだよな。
ですね。
強いデッキは、そういう独自の勝利条件を持っている。デッキによってはそれが二つも三つもある。
勝利条件がひとつ潰されても、「こっちがダメなら、あっちで勝ちに行こう」ってなるだけ。 だから劣勢でも「まだまだ勝てるな」って自信が尽きないし、精神的に安定した状態でゲームを継続できる。
デッキの強さを体感するって、勝ち筋の太さへの「信頼感」をプレイヤーが感じてるってことなんじゃないか。
たしかに…最近のモダンはフェアデッキであっても即死級の大技をもってますよね。
逆に、弱いデッキだと真逆の感じがするんだ。
ミスへの許容度も低いし、デッキ独自の「勝利条件」も持ってないから、細い勝ち筋を理詰めでいくしかない。
まさにこのデッキがそうですね。 小型クリーチャーで、キッチリ殴って勝つしかないので…



「こんな弱いデッキでも勝てる」ということ

まあ、とにかく今回勝てて良かったよ。
これで一段落ついた…
ここしばらくは、「今のモダンで安価構築はやれるのか」というテーマでプレイしてましたからね…
あくまで一回全勝しただけだけどな。
それでも「一応安価構築はやれる」ということで、自分を納得させることができた。 とりあえずは、それで十分かな。
いままでたくさん安価構築をやってきた私たちですら、もう今のモダンで安価構築は無理なんじゃないか…って考えるようになってましたからね。
今回ので考えがまた変わったな。いけそう。
ただ、まぁ…「安いけど十分に勝てるデッキを組める」のだとして、それによってMTGが魅力的になることも、始めやすくなることもないと思うけどな。
たしかにそうかもしれません…
とはいえ、モダンが「お金は出せないけど熱意はある」というプレイヤーたちに、どれだけの居場所を与えるのか。
それを占うことができたのは、意義のあることだったと思いますけどね。
まあ、そうだな。
資金を投じることも大事だけど、それ以上に「とにかくこのゲームを遊びたい」という熱意だよな。
やっぱりプレイに熱意があるプレイヤーが長く生き残るし、長く生き残るプレイヤーがコミュニティの支えになっていくんだよな。
プレイヤーの支えでコミュニティが生き残っているから、ほかのプレイヤーも安心して資金と熱意を注ぐことができる。
モダンはまだ、熱意と創意工夫で遊ぶプレイヤーに居場所を与えている。
そう言っても間違いじゃないだろう。




良いお年を!

たぶんこれが今年最後の記事かな。 ちょっと早いけど、今年もありがとうございました…と言っておく。
ですね。ありがとうございました。 良いお年を…!
それじゃあ、またな。



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らすとさば
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