安い土地カードを使って2色モダンデッキを組むためのマナベース(土地構成)例


こんな内容の記事です!
  • 100円~500円程度で入手できる土地カードを使って、2色のモダンデッキを構築するためのマナベース(土地構成)例を紹介する記事です。
  • 上と同時に、なぜ高額な特殊地形(主にフェッチランド)がモダンにおいて重用されるのか、高額な特殊地形を使わないことにどのようなデメリットがあるのかについても解説しています。
  • 本記事における「安価デッキ」とは、予算1~2万円の低予算に構築されたデッキを想定しています。
  • 本記事における「マナベース」とはデッキ内の土地カードの構成のことを指しています。

うーん、高いよね…フェッチランドとかショックランドって…
やっぱりその分強いというか、便利なんですけどね。
高い土地が無いとモダンじゃ多色デッキ組めないのかな…?
そんなことはないと思いますよ!
あった方が良いのは間違いないですけどね。
(そろそろ単色じゃないデッキも組みたいのかな…?)

そもそもフェッチランドはなぜ必要なのか?

モダンにおいてよくプレイされるカードに「フェッチランド」と呼ばれるサイクル(同じような性質を持ったカードのシリーズ)があります。

沸騰する小湖

土地
, 1点のライフを支払う, 沸騰する小湖を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから島か山であるカード1枚を探し、戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。

フェッチランドはいずれも高額で、対抗色のものは平均3095円、友好色のものは平均5976円もします。
WisdomGuild トリム平均から 2022/9/4現在)

『モダンホライゾン2』での対抗色フェッチランド再録のおかげで随分と入手しやすくなりましたが、それでも依然として高額であり、モダンに参入したいプレイヤーにとっての障壁になっています。

今回の記事ではフェッチランドのような高額カードなしで作ることができる安価なマナベースを紹介しようと思うのですが、その前に「なぜフェッチランドが使用されているのか」「フェッチランドを使わなければどんなデメリットがあるのか」を軽く説明しておきたいと思います。

フェッチランドの強さが分かれば、どんな土地がモダンにおいて戦える水準にあるのかが掴めてくるのではないでしょうか。


土地に3000円とか5000円って高いよね。
1枚だけあっても仕方ないし…
たしかに3~4枚セットで使うことが多いですよね。
1枚3000円だったら4枚で12000円…
フェッチランド何種類も使ってるデッキだと、土地だけですごい値段になっちゃうよね…!?
実際「イゼット・マークタイド」は土地だけで50000円かかりますからね。
うーん、やっぱりそれだけ強いってことだよね。
そうとも言えますし、そうじゃないとも言えます。意外とフェッチランドにも弱点はありますからね。
フェッチランドの「どこが強いのか」が分かっていればこそ、安い土地での戦い方が見えてくるはずですよ…!



メリット:3色以上のデッキを構築できる

モダンフォーマットにおける有名な多色地形として、フェッチランドのほかにショックランドというものがあります。

蒸気孔

土地 ― 島・山
:{青}か{赤}を加える。)
蒸気孔が戦場に出るに際し、あなたは2点のライフを支払ってもよい。そうしないなら、これはタップ状態で戦場に出る。

ショックランドは基本土地を持っているため、フェッチランドからサーチしてくることが可能です。

フェッチランドの起動コストとショックランドのライフペイで計3点ものライフを失ってしまいますが、この方法を使えばフェッチランドは実質的に3~5色地形として運用できます。 なので、フェッチランドがあれば3色以上のデッキを構築できるわけですね。

フェッチランドとショックランド以外にも3~5色のマナを出せる特殊地形はありますが、いずれもクセのある性能をしており、採用できるデッキはかなり限られます。

なので、「フェッチランド&ショックランドを採用せずに3色以上のデッキを組むことはほとんど不可能」と考えて頂いて間違いはないと思います。


フェッチが無いと3色のデッキは組めないんだね…
残念ですが、やっぱりフェッチ無しで3色は難しいです…
工夫すればどうにかなることもあるんですけどね。
工夫?
よくあるのは、クリーチャーデッキとか部族デッキですね。
《古代の聖塔》《閑静な中庭》みたいな土地はフェッチランド無しでも5色出せますし、そもそもフェッチと相性悪いですし。
そんな土地もあるんだ…!
特殊地形といえば2色のイメージだったから、こういうのも使ってみたいな。




メリット:「昂揚」が達成しやすくなる

「昂揚」とは、自身の墓地にあるカード・タイプが4種類以上になった場合にカードの効果が強化される能力のこと。

現在モダンで使用される「昂揚」カードでは《ドラゴンの怒りの媒介者》と《邪悪な熱気》が有名です。
フェッチランドは自身を生贄に捧げて土地をサーチするので、簡単に墓地に「土地」カード・タイプを足すことができます。

ただし、「昂揚」の達成であれば《ミシュラのガラクタ》や《炎の印章》《タール火》のようなカードでもアシストできるので、必ずしもフェッチランドが必要なわけではありません。
加えて、《ドラゴンの怒りの媒介者》自体が「諜報」で墓地を肥やしてくれるので、デッキのカードタイプを十分散らしておけばフェッチ無しでも普通に「昂揚」できます。




メリット:2マナダブルシンボルのカードを使える

フェッチランドがあれば2マナダブルシンボルのカードを使える…逆に言えば「フェッチランド無しでは2マナダブルシンボルは使えない」ということになるのですが、実際生半可なマナベースでは2マナダブルシンボルをモダンフォーマットで扱うことはできません。

安価に入手できる2色地形は基本土地タイプを参照するものが多いので、必然的に基本地形を多く入れる(自分の経験上12枚程度入ってくる)ことになります。

基本地形が多いと、例えば「2ターン目に《ダウスィーの虚空歩き》を出したいのに、出ている土地が《山》と《硫黄泉》なので出せない」というようなことが頻発します。
もちろん、ショックランド、ファストランド、フィルターランドを満載すればフェッチ無しでも2マナダブルシンボルを使えるマナベースは作れます。ただし、ショックランドもファストランドも安くないので、思い切ってフェッチランドを買っても大差なかったりするんですよね。

フェッチランドを買いたくない理由が「金額」であるのなら、他の高額な特殊地形を満載してまでフェッチランドをリストから外しても仕方がないというか、無意味な仮定でしょう。

「安価な2色マナベースでは、2マナダブルシンボルのカードの採用が難しい」という前提の下で採用するカードを打診していくのが良いのかなと思います。


例えば《対抗呪文》が入っているデッキを参考にして、安くデッキを組もうと思ったら、《マナ漏出》で代用するという方法がありますね。

マナ漏出

インスタント {1}{青}
呪文1つを対象とする。それのコントローラーが3を支払わないかぎり、それを打ち消す。

なるほど、《対抗呪文》は{青}{青}だけど、《マナ漏出》は{1}{青}だから、基本土地がいっぱいのデッキでも使いやすいんだね。
ですです…!




メリット:ミシュラランド、魂力土地にスロットを割きやすくなる

上と同様の理由で、安い2色マナベースは基本土地にスロットが圧迫されるので、ミシュラランドや魂力土地を採用する余裕がほとんどありません。
土地で柔軟なアクションを起こせるのもフェッチランド・ミシュラランド採用の強みでしょう。




要約すると、フェッチランドが無ければ
  • 3色以上のデッキは組めない(2色なら組める)
  • 2マナダブルシンボルのカードが使いづらい
  • ミシュラランド、魂力土地がほとんど入らない
というデメリットが課せられることになります。

「それでも構わない」「とりあえずデッキがスムースに動けば問題ない」という方は、次項の『安価マナベース構築例』をご覧いただけたらと思います。



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安価マナベース構築例

ペインランド+ショウランド+基本土地(計20枚)

カード名をタップで詳細ページに飛びます。

4 硫黄泉(ペインランド)¥500
4 凶兆の廃墟(ショウランド)¥80
6
6

合計:¥2320
参考価格はWisdom Guildのトリム平均を切り上げ(2023/8/30現在)
  • x4
  • x4
  • x6
  • x6


格安スカルシュートで採用したマナベース。

[ショウランド>ペインランド>基本土地]の順で優先してプレイしていけばいいので、プレイ指針が分かりやすいのが強みです。

【格安モダン 予算¥16000】新・格安スカルシュート ー ホライゾンのカードパワーを炸裂させる安価モダンデッキ

【格安モダン 予算¥16000】新・格安スカルシュート ー ホライゾンのカードパワーを炸裂させる安価モダンデッキ

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ペインランド+ショウランド+チェックランド+団結のドミナリアタップインデュアルランド+基本土地(計24枚)

カード名をタップで詳細ページに飛びます。

4 戦場の鍛冶場(ペインランド)¥280
4 怒静の交錯(ショウランド)¥70
2 断崖の避難所(チェックランド) ¥260
2 聖なる峰(団結のドミナリア タップインデュアルランド) ¥30
6 平地
6

合計:¥1980
参考価格はWisdom Guildのトリム平均を切り上げ(2023/8/30現在)
  • x4
  • x4
  • x2
  • x2
  • x6
  • x6


ボロス・ウィノータで採用したマナベースです。

【格安モダン 予算¥12060】ボロス・ウィノータ

【格安モダン 予算¥12060】ボロス・ウィノータ

安くてそこそこ強いモダンデッキ「ボロス・ウィノータ」(参考価格¥12060)を組んで遊んだプレイレポートと、リストの解説記事です!



「ボロス・ウィノータ」おすすめです。
先日(2023/9/2)のイベントは1-1でした。
う…うん?
ちょっと微妙…?


手札に基本土地をキープしたほうが強いショウランドと、基本土地を先にプレイしたほうが強いチェックランドとでプレイ指針が矛盾しているのがこのマナベースの難しいところ。

20枚では足りないデッキではこちらのマナベース例を参考にしてみてください。24枚では多すぎる場合は、チェックランドとタップインデュアルランドの枚数を減らして調整すると良い感じになります。


あれ?
さっきのよりも枚数が多いのに、こっちの方が安い??
色の組み合わせの人気の影響ですね。さっきの「黒赤」は人気で、こっちの「白赤」はちょっと不人気なんですよ。
そ、そうなんだ…!
じゃあ、不人気な色でデッキを組めば、もっと安く多色デッキを組める!?
う、うーん…
そうなんですけど、それはやめておいた方がいいかな…
そうなの…?
土地が安くても、土地以外のカードが安いとは限りませんからね…
たしかに…
それに、モダンで通用する安くて強いカードって意外と探すのが難しいので、最初から「土地が安い色」で選択肢を狭めてしまうのも…ですね。
なるほど…!
最初に使いたいカードを探した方が楽しいし、ヘンに節約して視野を狭めるのは良くないってことなんだね。
ですね!差がついても1000円くらいですし、使いたい色で組み始めるべきです…!



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安価2色土地について

上で使用した多色土地について、もう少し詳しく紹介します。

ペインランド

ライフ1点を支払って色マナか、ライフを支払わずに無色マナを生み出す土地。

ライフペイが厳しいイメージがありますが、無理に3色デッキで使用したり、色拘束の厳しいカードを多用しない限りはライフペイで苦しむことはない印象です。

短期戦で強い土地と評されることも多いですが、実際は中盤以降土地が出揃ってくると無色マナしか出さなくなるため(他の土地で色マナを出せばよい)、長期戦に向かないわけでもありません。

むしろ短期戦志向のデッキであれば、低コストのカードを連打したりする関係でライフペイの回数が多くなるため、ショックランド以上にライフペイに苦しむこともしばしば。「2色で色拘束の厳しくないデッキで使用すれば、普通に強く使える土地」とするのが妥当なところだと思います。

基本的にはショックランドの方が高性能ですが、
  • ライフペイしなくてもアンタップインできる
  • (上で紹介した『ボロス・ウィノータ』のような)色拘束のゆるいデッキだと、ライフペイが2点未満で済むことも多い
の2点で棲み分けができており、高額カードの代替品以上のポテンシャルを秘めた土地でもあります。


安価土地の定番ですね。




ショウランド

スタンダード時代の使いづらさから「ものすごく弱いレア土地」と評価されがちですが、モダンフォーマットにおいてはそれほど悪くないカードです。

そもそも、2色土地がライフペイなしでアンタップインしている時点で普通に強力です。モダンでは赤いデッキが《稲妻》で一気にライフを詰めてきたりするので「ライフペイ無し」が活きることが多々あります。

とはいえ、ショウランドがモダンにおいてあまり採用されていないのにも当然理由はあります。

ショウランドはゲームにおいては使い勝手がよく感じるカードですが、構築段階で多くのデメリットを課してくるのです。
  • 基本土地が12枚程度必要
  • 2色デッキでしか使用できない
  • 色拘束の厳しいカードを使いづらくなる(2マナダブルシンボルなど)
特に色拘束の厳しいカードを使用できないというのは中々苦しいものがあります。

2マナダブルシンボルで最近有名なものだと《ダウスィーの虚空歩き》《ヴェクの聖別者》があるでしょうか。このあたりの強カードを採用しづらくなくなってしまうため、デッキを組むときに歯がゆい思いをすることが多くなってしまいます。

ショウランドはスタンダード時代の評価を引きずってしまってる感じもありますね…
そんなに弱かったの?
弱かったというか…不遇でしたね。
『イニストラードを覆う影』のショウランドと同時期に使えた土地にバトルランドというがあったのですが…
あ、バトルランドは基本土地タイプを持ってるから相性がいい…?
…と、思いますよね…?
バトルランドをショウランド見せてアンタップインさせても、次のターンに出すバトルランドはタップインしてしまう。
あ…
しかも、ショウランドは当然基本土地じゃないから、ショウランドを出せば出すほどバトルランドのアンタップインは遠くなるんですよ…
わぁ…ひどい…
あとは、本来ショウランドと相性の悪いデッキでも「レア土地がないよりはマシ」という考えで使われていたりしていたのもあります。
相性の悪いデッキで本領を発揮できないまま、弱いって思われちゃったんだね…
選択肢がない以上仕方なんですけどね…
『ストリクスヘイブン』のショウランドも不遇でした。
同時期に優秀な単色特殊地形が多くて基本土地を満載しづらかったり、小道にあっさりを枠を取られたりとか踏んだり蹴ったりだったんですよね…
踏んだり蹴ったりだ…
でも、モダンでは相性の良い土地と組んで使えるので、つなぎの土地として上手に使ってあげてくださいね…


ひとくちメモ
2マナダブルシンボルとショウランド
ショウランドを採用すると、2マナダブルシンボルのカードを2ターン目に安定してキャストすることができなくなってしまいます。ショウランドを使用した安価マナベースは基本土地が多くなりがちで、早期に色が揃えることが困難になってしまうからです。

2マナダブルシンボルのカードを実質3マナとみなして採用することもありますが、「仮に3マナであっても採用するバリューがあるか」を考えながらデッキを組むと良いでしょう。

《ヴェクの聖別者》の様な強力なアンチカードは出すだけで相手デッキを機能不全に陥れる可能性があるため、サイドボードから採用する価値は非常に大きいです。そういうカードをサイドボードに入れる分には、ショウランドと併用しても大丈夫だと感じています。
「ボロス・ウィノータ」で《ヴェクの聖別者》を採用しての所感です。結構いい感じに使えています。)





チェックランド

数年前のモダンではよく使われていた土地ですが、最近はめっきり見なくなりました。

『モダンホライゾン2』リリース以降、1ターン目からのアクションが重要視されるようになったため、1ターン目にアンタップインできないチェックランドの立場が悪くなったものと思われます。また、1ターン目に多色地形をアンタップインさせるために、かつて以上に基本土地の枠が切り詰められるようになったこともあるでしょう。


基本土地いっぱいのデッキならチェックランドはまだまだ強いのかな?
うーん、それがそうでもないんですよね…
どうしても基本土地→チェックランドの順番でプレイしないといけないから、「1ターン目に《島》を置いたから《稲妻》が使えない」とかそんなことになっちゃいます。
なるほど…


基本的にチェックランドは、安価マナベースの「かさまし」に使うことになると思います。

あるいは、1マナのカードを全て片方の色に揃えれば(例えば黒赤デッキの1マナ帯を全て赤のカードだけにする)チェックランドの持つデメリットを克服することができますが、それができるデッキは限られるでしょう。



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フェッチランドの弱点と安価マナベースの強み

比較:残りライフの余裕

当然のことではありますが、フェッチランドは残りライフが少ないと能力が起動できなくなってしまいます。わずか1点のライフペイが致命傷になることもあるからです。

よくあるケースとして、対バーンで残ライフが4点以下になったときにフェッチランドが起動できなくなることがあります。バーン相手で残ライフが3点以下になると、《稲妻》1枚でやられてしまうので、残ライフが3点か4点かのちがいは非常に大きいのです。

バーン側が手札をキープしている場合は残りライフ7点でもフェッチランド起動は控えた方が安全ですし、《ボロスの魔除け》のリスクを考慮して残ライフが5点のときにもフェッチランド起動を控えることもあります。

ボロスの魔除け

アーティファクト {1}
以下から1つを選ぶ。
  • プレイヤー1人かプレインズウォーカー1体を対象とする。ボロスの魔除けはそれに4点のダメージを与える。
  • ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのパーマネントは破壊不能を得る。
  • クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは二段攻撃を得る。

本題にもどりますが、フェッチランドは能力が起動できなければ、土地でありながら無色1マナすらも生み出すことができません。

これはライフが足りなければタップインすればいいショックランドや、ライフペイなしで無色1マナを生み出せるペインランドには無い欠点です。そもそもライフペイの不要なファストランド、ショウランドについても同じでしょう。
逆に言えば、フェッチランドを使用しないマナベースは、一般的なフェッチランド使用のマナベースよりもライフにゆとりがあることになります。

実際、自分が格安構築でショウランドとペインランドからなるマナベースを使い込んだ感触としても、多色デッキとのマッチアップで2点前後ライフで優位な試合が多かったように思います。






比較:ランデス耐性

《血染めの月》を筆頭にモダンでは「基本でない土地」を破壊するランデスが多数存在しますが、安価マナベースは基本土地が満載されているのでランデスが効きづらいです。
ただし、再序盤にフェッチランドから基本土地を持ってきておけば、《血染めの月》などのランデスにある程度対抗できるため、フェッチランドも一定のランデス耐性を備えています。

《血染めの月》のランデス

「基本でない土地は山である。」というテキストですが、各特殊地形のサブタイプに「山」を追加して赤マナも出せるようにするのではなく、本当に基本土地の《山》そのものにしてしまいます。基本土地の《山》になるので赤マナしか出せなくなり、多色デッキにとっては痛手な妨害となります。
むしろ耐ランデスで考えるなら、色事故対策の為に満載された「フェッチランドではない多色地形」によって、基本土地枠が圧迫されていることが問題になります。

ヨーグモスのリストを見ると顕著で分かりやすいのですが、フェッチランドと基本地形が合計7枚前後しか採用されていないために基本土地が不足しやすく、《血染めの月》のロックがてきめんに効くことがしばしばあります。

特にヨーグモスの場合はダブルシンボルのカードが多いため、基本土地が各種1枚ずつ揃っていても月のロックを切り抜けられなかったりします。

(余談ですが、こうした状況でヨーグモス側がとり得る対抗策として、《森》1枚からマナ・クリーチャーを立てて、そのマナクリーチャーから色マナを供出するパターン、どうにか《森》2枚を立ててビートダウンに切り替えるなどがあります。月を張っても油断せずに「鳥を焼く」ことが肝要ですね。)



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初心者にとっての安価構築の意義

しばしばベテランプレイヤーの間で「予算を理由に安いデッキを組むのであれば、最初から最大限投資して高額なデッキを組むべきだ」という旨の主張がなされることがあります。

自分としては、この考えに「半分同意し、半分同意しかねる」というスタンスでいます。


コンスタントかつストイックに勝利を求めるプレイスタイルなら、最終的には高額なカードも買い揃えることになっていくので、「じゃあ最初から買えるだけ買っておけばいいのではないか」となるのは当然ですし、「早く買った分、長く使い込めるのではないか」という考えにも一定の理があります。

長らく安価デッキを組んでは環境にぶつけるというプレイスタイルを楽しんできた身として、「安価デッキでも使い込めば勝ち越せるが、全勝は極端なまでに難しい」ことを痛感していることもあります。相性的にどうしようもないマッチアップがあったり、デッキの実力としてどうしても越えられないボーダーがあったりしますからね…


では、なぜ「半分同意しかねる」のかというと、上の意見はあくまで「コンスタントかつストイックに勝利を求めるプレイスタイル」を想定したものでしかないからです。


モダンの環境デッキの構築には10万円以上の予算を要します。

MTGだけをやりこみたいわけじゃないプレイヤー、MTG以外の趣味も大事にしたいプレイヤーは、モダンという一つの趣味のためだけにここまでの額を出せるでしょうか。出せたとしても、多くのプレイヤーにとって相当苦しい出費であることは間違いないでしょう。

モダンをしっかり遊びたいと思っているプレイヤーにとっても10万以上となれば決心を要する額ですし、すぐには用意できないひともいることと思います。

実際にデッキを組んでみて、遊んでみたら「モダンが、あるいは組んだデッキが、想像とちがっていて自分の肌に合わなかった」ということもありえます。大枚叩いたのに楽しくなかった…というのは極力避けたいリスクです。

上のようなことを考慮すれば、10万円の投資の前に1万円程度で安価デッキを組んで遊び、本格的に参入する前にモダンをリサーチしておくのは馬鹿げたお金の使い方ではないと思います。

実際にモダンを遊んでみて、色んなデッキと相対するなかで「気になっていた○○デッキよりも、いま対戦相手が使っている××デッキの方が組みたくなった」ということもあるでしょうし、何となくモダンに通用するカード/デッキパワーの水準がつかめてくることと思います。

よく組めていたら1万円程度のデッキでも普通に戦えるので、本格参入後もフリープレイで楽しむことができるでしょうし、その点でも無駄な出費では無いと思います。

全力で資金を投じずに環境デッキを殴りに行くモダンがあっても良いし、本格参入前のリサーチとして1万円ほど投じて安価デッキを組むのも堅実で良いから、そうした観点から初心者が最初のステップに安価デッキを組むのはアリだと考えています。もちろん、このスタンスを他プレイヤーに強制するつもりは少しもありません。

今回の記事は、専らベテランプレイヤーの道楽としての「安価構築」にアイデアを供すべく執筆したものなのですが、ちょっとモダンに触ってみたいと思っている参入希望者の一助となるのであれば、それも大変うれしく思います。


平たく言えばリスクヘッジのための先行投資として安価デッキを組むのもアリ…ということですね。
ガッツリお金をかける前に「おためし」でモダンを遊んでおくということ?
ですね。
やっぱり実際にプレイするのが一番発見があるから、実プレイという最高級の「教材」を買うという見方もできますね。
本格参入までの期間が長いほど、「知識課金」としての効果は大きくなると思います。
なるほど…!
色んなデッキを見れちゃうもんね。
ですです!
イベントに参加すれば、実際にデッキを動かして見せてもらったり、採用カードを説明してもらえるわけですからね。
で…イベントで見たカードを買ったり、見たデッキを倒せそうなカードを集めれば良いんだ…!
そういうことです…!
ちょっと荒いやり方だけど。
もちろん、普通にモダンを楽しむために安価デッキを組んでも良いですしね。




というワケで、安価マナベース例の紹介でした…!
えっと、マナベース…どんなのだったっけ?
え、えっと…
とりあえず「ショウランド」と「ペインランド」は覚えて帰ってくださいね。
あ、思い出した…!
基本土地見せたらアンタップインするヤツと、1点ライフを払ったら色マナが出るヤツ…!

※厳密には基本土地タイプを持つ土地

ですです!
特にショウランドは100円くらいで買えます。
おぉ~、安い。
なので、カードショップに寄ったときに余裕があったら買い集めておくと良いかもです。
うん、りょーかい!
緑単しか使わないけど。
えっ…?
《ギガントサウルス》くんを出せたらなんでもいいかな。

ギガントサウルス
クリーチャー ― 恐竜 {緑}{緑}{緑}{緑}{緑}
10/10
「歯の一本一本が馬ほどの長さで、新しい歯が16日おきに生えてくるの。もっと近くで見てみましょう。」
――ビビアン・リード

えぇ…



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プロフィール

らすとさば
TCGプレイヤーです。主にMTGを安くカジュアルに楽しむ記事を書いています!