《オークの弓使い》の使い方を考える【指輪物語 - 中つ国の伝承 新カードレビュー】
こんな内容の記事です!
- 『指輪物語―中つ国の伝承』で新たに登場するカード《オークの弓使い》について考える記事です。
- どんなデッキで使えるか、どのカードと相性が良いかなどについて考察します。
- 《オークの弓使い》をプロキシ/テストプレイヤーで試した上での感触についても軽くまとめてあります。これからの下環境を考えるプレイヤー仲間の一助となればうれしいです。
カード情報
オークの弓使い
Orcish Bowmasters
マナ・コスト | {1}{黒} |
---|---|
タイプ | クリーチャー - オーク・射手 |
テキスト
瞬速
オークの弓使いが戦場に出たとき、ならびに、対戦相手が自分の各ドロー・ステップ内で最初に引くカード以外のカード1枚を引くたび、クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーやバトルのうち1つを対象とする。オークの弓使いはそれに1点のダメージを与える。その後、オーク動員1を行う。
オーク動員N
公式コラムにて次のように説明されている。"オーク動員Nを行う場合、最初にあなたが軍団・クリーチャーをコントロールしているかを確認します。コントロールしていないなら、黒の0/0のオーク・軍団・クリーチャー・トークン1体を生成します。その後、あなたがコントロールしている軍団・クリーチャー1体の上に+1/+1カウンターN個を置きます。それがオークでないなら、そのクリーチャーは他のタイプに加えてオークになります。"
なお、『灯争大戦』で登場した方の「動員N」はすべて「ゾンビ動員N」へとオラクル変更されるとのこと。
カード事前評価
1点火力で焼ける仮想敵が意外と多い
《敏捷なこそ泥、ラガバン》、《スレイベンの守護者、サリア》のほか、マイナスから入った《時を解す者、テフェリー》などモダンの有名な仮想敵をETBで除去することができます。
何より《オークの弓使い》は相手の《オークの弓使い》も焼けるんですよね。
うわ…メンコじゃん…
弓使いどうしで牽制しあえるのは良いことなのでしょうか…
どうなんだろうなぁ…
だって、《栄光をもたらすもの》はメンコにならないように、という理由でドラゴンを焼けないテキストになってるからな。
だって、《栄光をもたらすもの》はメンコにならないように、という理由でドラゴンを焼けないテキストになってるからな。
栄光をもたらすもの
クリーチャー - ドラゴン {3}{赤}{赤} 4/4 飛行、速攻 栄光をもたらすものが攻撃するに際し、あなたはこれを督励してもよい。そうしたとき、対戦相手がコントロールするドラゴンでないクリーチャー1体を対象とする。これはそれに4点のダメージを与える。(督励されたクリーチャーは、あなたの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。) |
そういえばそうでしたね。牽制合戦に愛想を尽かして《オークの弓使い》を入れない構築が流行したりもするのかな…
それはないんじゃないか。自分が使うことをやめても相手は使うからな。
「《オークの弓使い》を使わないデッキはタフネス1をあまり入れない方が良い」というのがセオリーになりそうで、そっちのが恐いかな…
「《オークの弓使い》を使わないデッキはタフネス1をあまり入れない方が良い」というのがセオリーになりそうで、そっちのが恐いかな…
ただでさえ今はラガバンに対応できないデッキの立場が悪いのに、そういう構築の「条件」がまた増えてしまうんですね…
みんな無意識的にクリアしてるだけで、今のモダンはそういう構築上の「条件」が多いからな。カスケードから出てくるサイ・トークン2体も処理するか、サイズで超えるか、出させないかできないとダメだし。
強力なドローロック
ドローロックは《黙示録、シェオルドレッド》と同等以上だと考えると、見た目以上にキツく相手のアクションを縛りそうです。
黙示録、シェオルドレッド
伝説のクリーチャー - ファイレクシアン・法務官 {2}{黒}{黒} 4/5 接死 あなたがカード1枚を引くたび、あなたは2点のライフを得る。 対戦相手1人がカード1枚を引くたび、そのプレイヤーは2点のライフを失う。 |
レガシーではブレストへの強烈なカウンターに
相手の《渦巻く知識》にスタックで《オークの弓使い》を唱えると、動員と1点ダメージの能力が3回誘発します。
定番クリーチャーというか…これレガシー滅茶苦茶になるだろ。
仮にウィル撃てても3/3の軍団トークンが出てきて、3点火力も飛んでくるからな。打ち消せても色々間に合ってない。というかウィル探す以前にもう恐くてブレスト撃てなくないか。
ブレスト / ウィル
「ブレスト」は《渦巻く知識(Brain Storm)》の、「ウィル」は《意志の力(Force of Will)》の俗称。ちなみに《思案(Ponder)》はそのまま「ポンダー」。同じカードが20年以上第一線で活躍しているというフォーマットの特性、そしてプレイヤーもまた20年選手が多いことから、レガシープレイヤー間では当たり前のように俗称が使用されている。個人的な経験上、この3枚の俗称は覚えておいて損はない。相性の良さそうなカード
ETBと相手ドロー時の誘発で1点ダメージが飛ぶので、《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》の能力を誘発させることができます。
囚われの黒幕、オブ・ニクシリス
伝説のクリーチャー - デーモン {2}{黒}{赤} 4/3 飛行、トランプル 1人以上の対戦相手がそれぞれちょうど1点のライフを失うたび、囚われの黒幕、オブ・ニクシリスの上に+1/+1カウンター1個を置く。あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を追放する。次のあなたの終了ステップまで、あなたはそのカードをプレイしてもよい。 |
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デッキリスト案
というわけでデッキリストを考えてみました。
メイン
クリーチャー
4 猛火のルートワラ4 オークの弓使い(リンク先英字)
4 虚ろな者
4 復讐蔦
1 黙示録、シェオルドレッド
2 アゴナスの雄牛
2 わめき騒ぐマンドリル
呪文
4 燃え立つ調査2 稲妻
2 木端/微塵
3 無駄省き
4 鏡割りの寓話(リンク先英字)
2 魂の再鍛
土地
1 滅びの山(リンク先英字)2 黒割れの崖
2 銅線の地溝
3 血の墓所
2 踏み鳴らされる地
2 血染めのぬかるみ
3 樹木茂る山麓
2 ジアトラの試練場
2 沼
2 山
1 森
サイドボード
3 Cast into the Fire(リンク先英字)1 火炎の襲撃
1 稲妻
2 古えの遺恨
3 血染めの月
4 虚空の力線
1 強大化
テストプレイ
プロキシ印刷
また、MOXFILEDのプロキシには基本土地が含まれません。
- カラー
- 用紙サイズ:A4
- 1枚当たりのページ数:1
- 余白:デフォルト
- 倍率:既定
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リスト案採用カードについて
個々のカードの採用理由と感触について軽くまとめました。虚ろな者
アーティファクト・クリーチャー - ゴーレム {5} 4/4 虚ろな者を唱えるためのコストは、あなたがこのターンにサイクリングしたか捨てたカード1枚につき{2}少なくなる。 サイクリング{2}({2}, このカードを捨てる:カードを1枚引く。) |
やっぱり《燃え立つ調査》で1ターン目の《虚ろな者》を狙えるのは大きいですね。これができると疾駆ラガバンが走って来れなくなるので…
普通にクロックとしても優秀だしな。4/4は1ターン目に出て良いサイズじゃないよ…
無駄省き
エンチャント {1}{黒}
対戦相手がクリーチャー・カードを1枚捨てるたび、黒の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体生成する。 対戦相手が土地・カードを1枚捨てるたび、あなたのマナ・プールに{黒}{黒}を加える。 対戦相手がクリーチャーでも土地でもないカードを1枚捨てるたび、カードを1枚引く。 |
《燃え立つ調査》と《無駄省き》のコンボも凄まじい威力なんだよな。
盤面にトークン並ぶしドローもされるしで一気にゲームが傾く。
土地を捨てたときの{黒}{黒}が微妙なのがネックですけどね。
そう、意外とマナ出すの弱いんだよな。フェイズ終わりに消えるマナがランダムに出てきてもしょうがない…
このリストだと色も合ってないしな。
鏡割りの寓話
エンチャント - 英雄譚 {2}{赤}
(この英雄譚が出た際とあなたのドロー・ステップの後に、伝承カウンター1個を加える。) I — 「このクリーチャーが攻撃するたび、宝物・トークン1つを生成する。」を持つ赤の2/2のゴブリン・シャーマン・クリーチャー・トークン1体を生成する。 II — あなたは最大2枚のカードを捨ててもよい。そうしたなら、その枚数に等しい枚数のカードを引く。 III — この英雄譚を追放する。その後、これを変身させた状態であなたのコントロール下で戦場に戻す。 |
キキジキの鏡像
クリーチャー・エンチャント - ゴブリン・シャーマン 2/2 {1}, :あなたがコントロールしていてこれでも伝説でもないクリーチャー1体を対象とする。速攻を持つことを除きそれのコピーであるトークン1体を生成する。次の終了ステップの開始時に、それを生け贄に捧げる。 |
《復讐蔦》を狙って墓地に落とすことができるので、燃え立つ調査よりも確実にホロウワンのフィニッシュムーヴへと持って行けます。
色んなシナジーを形成できるということで採用したのですが、それ以前に純粋にカードパワーが高いですね。
だな。雑に強い。
魂の再鍛
ソーサリー {3}{赤}{赤}
各プレイヤーはそれぞれ、自分の手札を捨て、その後カードを7枚引く。 奇跡{1}{赤}(あなたがこのカードを引いたとき、これがこのターンに最初に引いたカードだったなら、あなたはこれの奇跡コストを支払うことでこれを唱えてもよい。) |
7枚ドローで一気にコンボパーツが手札にそろったりするので、無事にターンが帰ってきたら一気にゲームエンドできたりするんですけどね。
でも、7枚あれば勝てるのは対戦相手も同じことなんだよなぁ…
そうなんですよね。
むしろ相手の方が先に7枚のカードを使える分有利だったりして…
やっぱり不用心に唱えるのは危ないですよね。
むしろ相手の方が先に7枚のカードを使える分有利だったりして…
やっぱり不用心に唱えるのは危ないですよね。
木端
ソーサリー {1}{赤}
クリーチャー1体を対象とする。木端はそれに4点のダメージを与える。 微塵 ソーサリー {X}{黒}{黒} 余波(この呪文はあなたの墓地からのみ唱えられる。その後、これを追放する。) 各対戦相手はそれぞれX点のライフを失う。 |
《無駄省き》で{黒}{黒}が出ても弱い問題をこれで強引にケアしに行っているわけか…
ですです!
手札が尽きたときに、普通にライフを詰めるのに使っても良いですしね。
手札が尽きたときに、普通にライフを詰めるのに使っても良いですしね。
なるほどなぁ…
でもここまでして、無駄省きの欠点を埋める意味あるかなぁ…
でもここまでして、無駄省きの欠点を埋める意味あるかなぁ…
復讐蔦
《燃え立つ調査》から《虚ろな者》or《猛火のルートワラ》を合計2枚唱以上唱えて《復讐蔦》を蘇生するのがこのデッキの上振れパターン。
フェッチを切るときは《復讐蔦》を召喚することを見越して、緑2マナが用意できるように土地を持ってきます。
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リスト使用感
以下はテストプレイヤー/プロキシで回してみた/使ってみた感想です。- 結局、《猛火のルートワラ》《虚ろな者》を0マナで出しながら《復讐蔦》を墓地から出すというホロウワンパッケージの動きが強かった。
- 《オークの弓使い》自体が2マナで出しやすいので、《復讐蔦》のカウントに加えやすかった。
- 《オークの弓使い》のために無理に構築を歪める必要はない印象。《無駄省き》や《魂の再鍛》まで加えてコンセプトを弓使いに寄せるのは、ホロウワンパッケージの事故率を大きくしてしまっている。
- それはそうと《オークの弓使い》はカードパワーが高いし、《燃え立つ調査》との相性も良いので、上手くコンボが決まればラッキー程度でホロウワンデッキに採用しても良い印象。
なるほど、無理に「オークの弓使いデッキ」を組むんじゃなくて、ホロウワンみたいな既存アーキタイプに入れた方が強いということか…
私のデッキビルディングが下手だっただけかもしれませんけどね。
純粋にカードパワーが高いので、無理に狙った構築にする必要もないのかなと思いました。
純粋にカードパワーが高いので、無理に狙った構築にする必要もないのかなと思いました。
じゃあ、嬉々として紹介されたこのリストは何だったんだよってなるけどな。
…。