『指輪物語:中つ国の伝承』の注目コモン/アンコモン8枚を厳選して紹介する記事


こんな内容の記事です!
  • 『指輪物語―中つ国の伝承』で登場するコモン/アンコモンのうち、特に可能性を感じたカード8枚を紹介しています。
  • 特筆しない限り、フォーマットはモダンを想定した内容になっています。
  • これからMTG(モダン)をはじめる方、ちょっとずつパックを開封して遊ぶのが好きな方の、パック開封にちょっとした楽しみを添えることができればうれしく思います。

指輪物語メカニズムおさらい

指輪(指輪があなたを誘惑する)

『指輪物語:中つ国の伝承』に登場するカードの中には、「指輪があなたを誘惑する」という能力を持つものがあります。

この効果によって、あなたがはじめて指輪に誘惑されたとき、《指輪》という紋章カードを獲得します。
指輪があなたを誘惑するたびに、以下のふたつの操作を行います。
  • 自分のクリーチャーの中から1体えらび、それを「指輪所持者」に指定する。
  • 上から順にひとつ、《指輪》の能力を解放する。
より詳しくは公式記事よりご確認ください。

リンク
世界中で5千万人を超えるプレイヤーとファンを持つ世界最高の戦略トレーディングカードゲーム、マジック:ザ・ギャザリングの日本公式ウェブサイト。


オーク動員

「オーク動員N」を行うと以下の操作を行います。
  • あなたが軍団・クリーチャーをコントロールしているかを確認し、コントロールしていなければ、0/0のオーク・軍団・クリーチャー・トークンを生成する。
  • あなたがコントロールする軍団・クリーチャー1体の上に、+1/+1カウンターをN個乗せる。
  • あなたがコントロールしている軍団・クリーチャーがオークでなければ、オークのタイプを追加する。
基本的には「オーク動員」するたびに、軍団・トークンの上に+1/+1カウンターが置かれて、ドンドン大きくなっていくという認識で大丈夫です。

余談だが、すべてのクリーチャータイプを持つ多相クリーチャーは、軍団タイプも持つんだよな。
だから、「オーク動員」したときに《第六隊の騙し屋》をコントロールしていたら、《第六隊の騙し屋》の上に+1/+1カウンターが置かれるぞ。

第六隊の騙し屋

クリーチャー - 多相の戦士 {1}{白}
3/1
多相(このカードは常にすべてのクリーチャー・タイプである。)

要注意ですね。
まぁ…間違えやすいから要注意というのもあるが…
軍団をふたつコントロールして、戦略的に+1/+1カウンターを振り分けるテクニックとしても使えるかもな。
いいですね、それ。分隊みたい。
あとは、二段攻撃持ちの《勇敢な変わり身》と組み合わせるのも良いかも。

勇敢な変わり身

クリーチャー - 多相の戦士 {1}
3/3
この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールしているクリーチャーの中のクリーチャー・タイプ1種につき1少なくなる。この効果は、この呪文のコストのマナの点数を5より多く減らせない。
多相(このカードは常にすべてのクリーチャー・タイプである。)
二段攻撃

+1/+1カウンターの効果が倍になるからな。そういう意味では「多相」デッキとの相性が良いメカニズムなのかもしれないな。





剛毅なるサムワイズ

クリーチャー - ハーフリング・農民 {1}{白}
2/1
瞬速
剛毅なるサムワイズが戦場に出たとき、このターンに戦場からあなたの墓地に置かれてそこにあるパーマネント・カード最大1枚を対象とする。それをあなたの手札に戻す。その後、指輪があなたを誘惑する。

登場時の誘発型能力で、"このターンに墓地に置かれた"パーマネントを回収できるハーフリング。

モダンだと、フェッチランド、《ミシュラのガラクタ》を起動して即回収する動きが強いでしょうか。

登場時に「指輪があなたを誘惑する」もあるので、実質的に「自身よりも大きなクリーチャーにブロックされない」を持ったクリーチャーと見ることもできます。(他に「指輪所持者」に指定したいクリーチャーがいなければ、サムワイズ自身を「指輪所持者」に指定することになるため)


地味に瞬速持ちの2/1というのも強いですよね。
能力盛り過ぎだろこれ…




ナズグル

クリーチャー - レイス・騎士 {2}{黒}
1/2 
接死
ナズグルが戦場に出たとき、指輪があなたを誘惑する。
指輪があなたを誘惑するたび、あなたがコントロールしている各レイスの上にそれぞれ+1/+1カウンターを1個置く。
デッキに「ナズグル」という名前のカードを最大9枚入れてもよい。

出たときに指輪誘発するので、実質2/3接死。
既にナズグル1体がいる状態でもう1体ナズグルを出すと、2体の能力が誘発してそれぞれに+1/+1カウンターが2個置かれます。この場合、4/5と3/4が場に並ぶことになりますね。

《ナズグル》の真価は、この「並べると強い」ところにあると思います。

毎ターン雑にナズグルを並べていくだけで、モリモリと大型化していくので、テキスト通り9枚入れておくだけで強いデッキになるかもしれません。

味方レイス全体を強化するテキストになっていますが、現状使い勝手の良いレイスは《ナズグル》だけなので、他のレイスも混ぜて…という使い方はできません。

モダンリーガルのレイス一覧

ただし、「多相」を持つクリーチャーはルール上レイスである扱いになるので、それらを組み合わせることはできます。
追加の「指輪の誘惑」誘発手段としては《レンジャーの松明》や《ゴラムの噛みつき》が使えるでしょうか。特に《レンジャーの松明》は相手に直接ダメージを与えつつ《ナズグル》を大きくすることもできるので、序盤をしのぐだけでなく、終盤の詰めにも便利そうです。

それに加えて、《発掘》などで釣れるようにしておくと小回りが利いて良いかもしれませんね。
因みにですが、レジェンド・ルールは「プレイヤーが同じ名前の伝説のパーマネントを2つ以上コントロールしている場合、そのプレイヤーはその中から1つを選び、残りはそのオーナーの墓地に置かれる。」というものなので、指輪の伝説性付与によって自壊する心配はありません。


これ、テストプレイヤーで回してみたんですけど、9枚というのが意外に少ないんですよね…

回してみたリスト

へぇ…そうなのか?
9枚って多いと思うけどな。
期待値的には初手に1枚ある程度ですからね。
もっと厳密に言えば、初手に1枚以上あるのが63%、3ターン目までに1枚以上あるのが77%…
あれ、思ったより頼りないな…
ですよね。ドロー呪文なしでは全然出せないし並ばないので、構築では一工夫必要そうなカードだと感じました…



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エントの長い名簿

エンチャント - 英雄譚 {緑} 
(この英雄譚が戦場に出た際とあなたのドロー・ステップの後に、伝承カウンター1個を加える。Ⅵの後に、生贄に捧げる。)
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅵ―エントの長い名簿に記録されていないクリーチャー・タイプ1つを記録する。このターン、あなたが次にそのタイプのクリーチャー・呪文を唱えたとき、そのクリーチャーは追加で+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出る。

奇抜なテキストに目を奪われてネタカードに見えるかもしれませんが、こうしたカードでも強いカードはしっかり強かったりするので要注意です。

長々とテキストが書かれていますが、要約すると「各ターンはじめて唱えたクリーチャーが、+1/+1カウンターが1個置かれた状態で出てくる、という効果が6ターン持続する1マナのエンチャント」です。

+1/+1カウンターシナジーのある「鱗親和」では有用そうです。
《硬化した鱗》や《打ち砕かれた尖塔、オゾリス》があれば、《エントの長い名簿》で乗る+1/+1カウンターの数が2個になりますからね。



エレヒの石

伝説のアーティファクト {1} 
対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体が死亡するなら、代わりにそれを追放する。
{2},,エレヒの石を生贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの墓地を追放する。カード1枚を引く。

「ラクドスミッドレンジ(ラクドス想起)」「リビングエンド」など、墓地を経由するコンボデッキに有効なカードです。「死亡するなら、代わりに~」なので、死亡時に誘発する効果を消すこともできます。

特にこの死亡時誘発の能力も消すことができる点が、既存の墓地対策アーティファクトである《大祖始の遺産》《未認可霊柩車》との差別化点です。

小回りの利く《大祖始の遺産》と、メタゲームに応じて使い分けられることになりそうです。




厳しい説教

インスタント {青} 
パワーかタフネスが2以下であるクリーチャー・呪文を対象とする。それを打ち消す。

今回のセットの中でも特に強力な1枚だと思います。

サフロン・オリーブによると、現在のモダン・メタゲームで使用されているクリーチャーの約半数が《厳しい説教》で打ち消せるとのこと。


パワーもタフネスも2より大きいクリーチャーって意外と少ないんですね。

着地すると対処の難しい《帳簿裂き》や、ヨーグモスデッキのコアパーツ《スランの医師、ヨーグモス》も消せるので、メタゲームへの影響は大きそう。モダンホライゾン2で登場した《孤独》《悲嘆》も消せます。


問題は「クリーチャーの半数が消せること」がどれほど強いか…だよな。
ですね。「イゼット・マークタイド」「ヨーグモス」「ハンマータイム」に入っているクリーチャーはほぼ全部消せますが、「続唱サイ」「独創力」への効きは悪そうですし…対戦相手のデッキにすごく左右されそうなんですよね。
サイドボードから、相性が良い時だけメインに引っ張ってくる使い方が無難そうなんだよな。
多分だけど、《呪文貫き》の方が的になるカードが多い。

呪文貫き

インスタント {青}
クリーチャーでない呪文1つを対象とする。それのコントローラーが{2}を支払わないかぎり、それを打ち消す。



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角笛城での結集

ソーサリー {1}{赤} 
白の1/1の人間・兵士・クリーチャー・トークン2体を生成する。ターン終了時まで。あなたがコントロールしているすべての人間は速攻を得る。

《損魂魔導士》《ドラゴンの怒りの媒介者》にも速攻付与できるので、果敢デッキにも少数採用できるかもしれません。
あるいは人間シナジーを活かして「ボロス人間」デッキを組むこともできるでしょうか。

《教区の勇者》《サリアの副官》を育てつつ速攻を付与できるのはもちろんのこと、最近話題の《銅纏いの先兵》があれば2/1速攻2体が飛び出す強スペルになります。
ほとんどすべての人間デッキに採用される《スレイベンの守護者、サリア》とのディスシナジーが気になりますが、それを加味しても人間デッキに採用する価値がありそうです。

スレイベンの守護者、サリア

伝説のクリーチャー - 人間・兵士 {1}{白}
2/1
先制攻撃
クリーチャーでない呪文を唱えるためのコストは{1}多くなる。


実は果敢デッキって人間多いんだよな。

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魔王の台頭

ソーサリー {2}{黒}{緑} 
各プレイヤーはそれぞれクリーチャー1体を生贄に捧げる。あなたがこれによりクリーチャー1体を生贄に捧げたなら、あなたはあなたの墓地にありそれでないパーマネント・カード1枚を戦場に戻してもよい。

非常に強力なリアニメイト(蘇生)呪文。
《残虐の執政官》《偉大なる統一者、アトラクサ》や《全知》など、強力なカードを墓地から戦場に戻しつつ、相手のクリーチャーを減らすことまでできてしまいます。
ただし、これらの強力なカードはいずれも高額です。

《魔王の台頭》自体は安価に流通すると思いますが、デッキを組む資金の問題で新規プレイヤーには使いづらいカードになるかもしれません。


この《魔王の台頭》自身が多色だしな。
多色カードを使うには、多色地形が必要ですからね。この多色地形も高いという…




灼熱の銘

エンチャント {2}{赤} 
灼熱の銘が戦場に出たとき、指輪があなたを誘惑する。
あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるたび、灼熱の銘は各対戦相手にそれぞれ2点のダメージを与える。

3ターン目に設置→4ターン目に一気に手札のバーン呪文を叩きつけて、相手ライフを15点ほど削ってしまうプランのバーンデッキを組むと強いのかなと思ったりしました。

現環境のバーンデッキは、高速化の影響で《大歓楽の幻霊》を使わなくなっており、構成がフルバーンに近づいています。3マナとややマナ・コストが重いのがネックですが、バーン呪文を以前よりも多くとる今のバーンデッキに噛み合いそうです。

大歓楽の幻霊

クリーチャー・エンチャント - スピリット {赤}{赤}
2/2
プレイヤー1人が点数で見たマナ・コストが3点以下の呪文を1つ唱えるたび、大歓楽の幻霊はそのプレイヤーに2点のダメージを与える。

《灼熱の銘》を採用するなら、土地枠を多くとらないと行けなさそうなのが気になるんだよな…
今のバーンは20枚が多いですけど、3ターン目に3マナまで安定して伸ばしたいなら22枚は欲しいですからね…
でもそうやって土地枠でデッキの有効牌を潰しているのが、バーンというデッキのコンセプトと噛みあってないよな。
限られたリソースをやりくりして、相手のライフを0にするのがバーンなんだから…
うーん、じゃあ…能動的に山札を掘れるようにしますか?
ゼロックス理論じゃないですけど、山札が掘れたら多少は土地のスロットを圧縮できますし。
例えば、以前みたいに《舞台照らし》を入れて…

舞台照らし

ソーサリー {赤}
絢爛{赤}(このターンに対戦相手がライフを失っていたなら、あなたはこの呪文を、マナ・コストではなく絢爛コストで唱えてもよい。)
あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。次のあなたのターンの終了時まで、あなたはそれらのカードをプレイしてもよい。

あー、なるほど。《舞台照らし》はソーサリーだから《灼熱の銘》の能力が誘発するのか。
そこからさらに他の呪文を探せるから、ゲームの決定打にもなりそうだな。
あとは《棘平原の危険》でインスタントと土地をかさ増しておくのもあるでしょうか。

鏡割りの寓話

インスタント {赤}
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。棘平原の危険はそれに1点のダメージを与える。このターン、これによりダメージを受けたパーマネントが死亡するなら、代わりにそれを追放する。

棘平原の洞窟

土地
棘平原の洞窟はタップ状態で戦場に出る。
:{赤}を加える。

《棘平原の危険》か…
アタシも結構使ってたカードなんだけど、今のモダン環境だと丸すぎる気がするんだよな。
確かに今のモダンは「丸さ」を大事にできるほど余裕があるゲームスピードじゃないですからね。
ここ1年でさらに煮詰まって速くなった気がします。
そうなんだよな…
《灼熱の銘》と組み合わせたら3点バーンダメージだから悪くはないんだが、でも逆にいえば《灼熱の銘》と組みあわせてようやく《溶岩の撃ち込み》相当ということでもあるし…
同じ安定感を求めるにしても、《舞台照らし》みたいな衝動ドローを取った方が良いんじゃないかと思うな。



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まとめ

というわけで、『指輪物語:中つ国の伝承』の強そうなコモン・アンコモンでした…!
今回は…というか、今回もかなり低レアに有望なカードが多いな。
ですね!
低レアが強い方が指輪物語からMTGをはじめたい方に優しいので、こういうカードがリストにあってよかったです。
だな。
MTGは他のゲームよりもカードを集めるのが大変だから、適当にパックを買ってそこそこに強いカードが集まるセットはありがたい。
プレリリースは、今週末(2023年6月16~22日)です…!
初心者さんでも比較的遊びやすいイベントなので、指輪でMTGを遊びたい方にはおすすめです。
まぁ…いきなりイベントはハードルが高いという人は、フリープレイできる店を探して、そこでのんびり遊ぶのもいいけどな。
ですね。
今回もモダンの様相が変わっちゃいそうですが、色々デッキが組めそうで楽しみです…!






今回紹介しなかったけど、可能性を感じるコモン/アンコモンを並べてみました。



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らすとさば
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