【完全なる統一 新カードレビュー】新たなるファイアーズ


こんな内容の記事です
  • 『ファイレクシア:完全なる統一』登場の新カードを使って、かつてのスタンダードの名デッキ「ファイアーズ」のようなデッキを組めないか模索する記事です。

新たなるブラストダーム

進化したスパイノダーム

Evolved Spinoderm

マナ・コスト {2}{緑}{緑}
タイプ クリーチャー ― ファイレクシアン・ビースト
P/T 5/5
テキスト

進化したスパイノダームは油カウンターが5個置かれた状態で戦場に出る。

進化したスパイノダームの上に置かれている油カウンターが2個以下なら、進化したスパイノダームはトランプルを得る。3個以上なら呪禁を得る。

あなたのアップキープ開始時に進化したスパイノダームの上から油カウンターを1つ取り除く。その後、これの上に油カウンターが1つも乗っていないなら、これを生贄に捧げる。


《ブラストダーム》そのものみたいなカードが出てきました!

ブラストダーム

クリーチャー — ビースト {2}{緑}{緑}
被覆(このクリーチャーは呪文や能力の対象にならない。)
消散3(このクリーチャーは、その上に消散カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時に、それから消散カウンターを1個取り除く。できない場合、それを生け贄に捧げる。)

《ブラストダーム》は結構有名なカードだよな。たしか、かつてのスタンダードの「ファイアーズ」デッキで使われてたんだっけ?
ですね。「消散」という一定ターンしか場に存在できないデメリット能力を《ヤヴィマヤの火》の速攻付与で軽減しながら攻めていくデッキ…だったらしいです。

ヤヴィマヤの火

エンチャント {1}{赤}{緑}
あなたがコントロールするクリーチャーは速攻を持つ。
ヤヴィマヤの火を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。

(伝聞形なのか…)
「速攻」で出たターンに殴れば機能したターンが1ターン増えることになるから、「消散」のデメリットが幾許か軽減されたことになるわけだな。
《ブラストダーム》は本来3回しか攻撃できないところが4回攻撃できるようになります。合計で20点ですね…!
そうなると、何かしらブロッカーを用意するか《神の怒り》を撃つかしないと普通に殴り切られてしまうわけだ。「被覆」があるからお互いこれには触れないしな。これは凄まじい…

被覆

キーワード能力。「被覆」を持つパーマネントまたはプレイヤーは呪文や能力の対象にならない。自身の呪文の対象に取ることもできない。

それで、今回の《Evolved Spinoderm》はその《ブラストダーム》の新ヴァージョンというワケです!
おお、これはすごいな…と言ってやりたいところだが、《ブラストダーム》はミレニアムのカードだろ?
今から22年前じゃないか。それがいくらか進化して帰ってきたところで、現代の荒れ狂うカードパワーの中で生き残れるとは思えないのだが。
うーん…それもそうなのですが、やはり依然として触れない4マナ5/5はインパクトがあります。
それに《ブラストダーム》が抱えていた弱点もクリアしていますし…!
弱点…?
《ブラストダーム》は「被覆」なので、オーラを貼ったりして強化することができなかったんですよ。だから、大型の壁やチャンプブロックに阻まれて何もできないまま「消散」で散っていくこともしばしばありました。
でも今回の《Evolved Spinoderm》は「呪禁」ですし、油カウンターが減ると「呪禁」が「トランプル」に切り替えるオマケつきです!



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現代のヤヴィマヤの火とともに「ファイアーズ」を再興できるか?

新たに判明した《Evolved Spinoderm》とともに注目を集めるのが『神河:輝ける世界』収録の《活力の温泉》というカード。

《ヤヴィマヤの火》によく似た性能をしており、この両カードを作って現代のスタンダードに「ファイアーズ」デッキを復活させることができるのでないかと期待されています。

活力の温泉

エンチャント {1}{赤}{緑}
活力の温泉は、+1/+1カウンター4個が置かれた状態で戦場に出る。
あなたがコントロールしていて改善されているすべてのクリーチャーは速攻を持つ。(装備品やあなたがコントロールしているオーラがついているかカウンターが置かれているクリーチャーは改善されている。)
活力の温泉の上から+1/+1カウンター1個を取り除く:あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター1個を置く。毎ターン1回しか起動できず、起動はソーサリーとしてのみ行う。

《活力の温泉》は「改善されている」クリーチャーに速攻を与えるので、+1/+1カウンターを乗せなくても元より油カウンターの乗った《Evolved Spinoderm》は速攻を得ることができます。

《Evolved Spinoderm》と何か他のクリーチャーを同じターンに出しても両方とも走らせることができるので、終盤には活きてくるかもしれません。


《ブラストダーム》がある。《ヤヴィマヤの火》もある。もう「ファイアーズ」を組むしかありません…!
…。
そういうものなのか…?





ファイアーズの名カードたち

「ファイアーズ」って《ヤヴィマヤの火》で《ブラストダーム》を走らせるだけのデッキなのか?
え、ちがいますよ…多分。
ちょっと待ってくださいね…(カタカタ)
あ、《はじける子嚢》というカードも有名だったみたいですね!
(また伝聞形…)



はじける子嚢

エンチャント {4}{緑}
消散7(このエンチャントは、その上に消散カウンターが7個置かれた状態で戦場に出る。あなたのアップキープの開始時に、それから消散カウンターを1個取り除く。できない場合、それを生け贄に捧げる。)
はじける子嚢から消散カウンターを1個取り除く:緑の苗木リーチャー・トークンを1体生成する。それらのトークンは「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、はじける子嚢の上に置かれている消散カウンターの数に等しい。」を持つ。 はじける子嚢が戦場を離れたとき、はじける子嚢によって生成されたすべてのトークンを破壊する。それらは再生できない。


毎ターンサイズが縮んでいくトークンを生成できるエンチャント。
消散カウンターの限り好きなだけトークンを生成できますが、多く出せば出すほどトークンのサイズは小さくなりますし、寿命も短くなってしまいます。

合計打点が最大化するのは3体出したときで、4/4x3体で12打点になります。
本来であれば次ターンのアップキープにサイズが縮んで3/3x3体の9点になってしまうのですが、《ヤヴィマヤの火》の速攻付与があればそのまま12打点で攻撃できます。

《ヤヴィマヤの火》がなければ2体トークンを出すのが定石だったようです。こうすることで、毎ターンしっかり攻撃が通れば20点削り切れるのだとか…


…とWikiには書いていました!
博識だなぁ…




極楽鳥/ラノワールのエルフ



この辺は言うまでもないと言うか…
まぁ、モダンとかでも有名だしな。
《ラノワールのエルフ》に関しては最近のスタンダードでも使えたし…
「ファイアーズ」での役割は1→3のマナジャンプでしょうね。
2ターン目に《ヤヴィマヤの火》を立てておきて、3ターン目に《ブラストダーム》を走らせるというわけですね!
被覆の5/5が3ターン目に走ってきたら流石にキツイな…
しかも《はじける子嚢》は5マナだから、マナクリーチャーが焼かれなければ4ターン目に出るわけだ。



リシャーダの港

土地
:あなたのマナ・プールに{1}を加える。
{1},:土地1つを対象とし、それをタップする。

これは…というか、これも有名なカードだよな。
レガシーの「デス&タックス」デッキにも入ってるし。
ですね。使ったら見た目以上に強かったカードとしても有名です。
プレイングについてはMTG Wikiが非常によくまとまっていて、気になる方は一読をおすすめします!




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リスト「ファイアーズ」

イベント:プロツアーシカゴ00 ベスト4
使用者:Rob Dougherty
フォーマット:スタンダード(第6版、マスクス・ブロック+インベイジョン)

カード名をタップで詳細ページ(ScryfallもしくはMTG Wiki日本版)に飛びます

写真マーク()をタップで英語版カードイメージを表示します。日本語版が存在しないか、日本語版のイメージが見つからなかったカードをこのように表示しています。

メイン

クリーチャー

4 極楽鳥 タップで詳細ページへ
4 ブラストダーム
1 古代のハイドラ
2 翡翠のヒル
4 ラノワールのエルフ
4 リバー・ボア

呪文

4 キマイラ像
2 地震
4 ヤヴィマヤの火
4 リスティックの稲妻
4 はじける子嚢

土地

11
4 カープルーザンの森
5
3 リシャーダの港

サイドボード

2 心なごむ詩句
2 地震
2 野火
2 ハリケーン
4 カヴーのカメレオン
3 もつれ





現代のカードで「ファイアーズ」を換装する

「ファイアーズ」の主要なパーツを現代のカードに置き換えていけば、自ずと現代版ファイアーズが出来上がるのではないでしょうか。

《ヤヴィマヤの火》と《ブラストダーム》とは《活力の温泉》《Evolved Spinoderm》の両カードで既に決まっているとして、3マナ域までスムーズにつなぐ《極楽鳥》、爆発的な打点を形成する《はじける子嚢》、《リシャーダの港》に相当するカードも探したいところです。

「ファイアーズ」での採用例が多かったという《火炎舌のカヴ―》があれば尚よいかも知れません。


おい、ちょっと待て…
今のスタンダードってそもそも1マナのマナクリーチャーいないんじゃないか?
いないですね…
もう詰んでないか、これ?
いや…まだ…まだです…。
いい感じの2マナを入れて…スムースに3マナにつながるようにして…お茶を濁しましょう…
(ああ…多分もうダメだな、このデッキ。)




《リシャーダの港》は《解体爆破場》がそれっぽいんだけど、今のスタンダードはマナベースが滅茶苦茶に充実してるから、これで多色地形割っても仕方ないんだよな…
多色地形がデッキに4~5枚、という時代ではありませんからね…

解体爆破場

土地
:{1}を加える。 {2}, , 解体爆破場を生け贄に捧げる:対戦相手がコントロールしていて基本でない土地1つを対象とする。それを破壊する。その土地のコントローラーは「自分のライブラリーから基本土地・カード1枚を探し、戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。あなたは「あなたのライブラリーから基本土地・カード1枚を探し、戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。」を選んでもよい。



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新たなるはじける子嚢

あとは《はじける子嚢》だな。これが無いんだったらいよいよ話にならんぞ。
大丈夫です!なんとかします!


そもそも《はじける子嚢》は、《ヤヴィマヤの火》とのシナジーが強力で採用されていたカードです。

速攻付与で「消散」のデメリットが軽減され、トークンのサイズが縮む前に攻撃できるから大ダメージが見込めました。然るに、単に高性能なクリーチャーを《活力の温泉》で走らせても仕方がないでしょう。

何か《活力の温泉》とのシナジーがあって、それによって大きな威力を発揮するカードを《はじける子嚢》の代役に据えなければ現代版「ファイアーズ」としても味気ないですし、そもそもスタンダードデッキの構築としても不十分なのでないかと思います。

《活力の温泉》と他のカードをシナジーさせる結節点となりそうなのは「改善」メカニズムです。改善されたクリーチャーであれば、複数体出してもみんな速攻を得てすぐに攻撃に参加できます。あるいは「改善」されたクリーチャーが多ければ、他の未改善のクリーチャーのために《活力の温泉》の起動型能力を使えるようになって、デッキの柔軟性が高まります。


古霊招来

ソーサリー {1}{緑}{緑}{緑}{緑}
緑の4/5のスピリット・クリーチャー・トークン2体を生成し、それらそれぞれの上に、警戒・カウンターや到達・カウンターやトランプル・カウンターのうち1個をそれぞれ選んで置く。

…というわけで、持ってきたのがこのカード。
《はじける子嚢》同様に5マナのトークン生成呪文で、キーワード能力カウンターによって改善済みの4/5トークンを2体生成できます…!
『神河:輝ける世界』の《古霊招来》か、これはかなりいいな!
改善済みの状態で出てくるから《活力の温泉》で両方のトークンに速攻が付くな。
トランプル4/5とか警戒4/5が速攻で突っ込んでくるのは圧がありそうですよね。



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リスト「新ファイアーズ」

というわけで組んでみたのがこちらのリストになります!

カード名をタップで詳細ページ(Scryfallもしくは本サイトの別ページ)に飛びます。

記事執筆時点で日本語訳が判明していなかったカードについては、暫定的に試訳を掲載したページに飛びます。

メイン

クリーチャー

4 税血の収穫者 タップで詳細ページへ
(リンク先は税血の徴収者となっているが、収穫者が正しいテキストになります。)
4 ふくれた汚染者
4 Evolved Spinoderm
3 グリッサ・サンスレイヤー
2 活力を穢すもの

呪文

2 切り崩し
2 喉首狙い
2 冥府の掌握
4 鏡割りの寓話
4 活力の温泉
4 古霊招来

土地

3 硫黄泉
3 カープルーザンの森
3 ラノワールの荒原
1 憑依された峰
1 落石の谷間
4 黒割れの崖
3 銅線の地溝
4 ジアトラの試練場
1 見捨てられたぬかるみ、竹沼
2 耐え抜くもの、母聖樹

サイドボード

2 Sheoldred's Edict
1 冥府の掌握
1 喉首狙い
2 強迫
2 土建組一家の魔除け
1 石の脳
2 削剥
1 切り崩し
2 勢団の銀行破り
1 Carnivorous Canopy





天敵となる抹消者とジャンドカラー

次セットは赤と緑の大敵、《ファイレクシアの抹消者》が再録されることが既に判明しています。

ファイレクシアの抹消者

クリーチャー - ファイレクシアン・ホラー {黒}{黒}{黒}{黒} 5/5
真髄の針が戦場に出るに際し、カードの名前1つを選ぶ。
その選ばれた名前を持つ発生源の起動型能力は、それがマナ能力でないかぎり起動できない。

ファイレクシアは自身に与えられたダメージの点数だけ、対戦相手にパーマネントの生贄を強いる能力を有しており、ダメージによる除去手段しか持たない赤・緑にはほとんど為す術がありません。

このカードがどれほど環境で活躍するかは未知数ですが、緑やグルールカラーのデッキが実績を残せば自ずとサイドボードに搭載されるようになっていくでしょうから、構築段階である程度対策を考えておきたい仮想敵だと思います。

ダメージに依らない除去をデッキに加えるために、黒か白を加えたいところ。今回は《グリッサ・サンスレイヤー》《税血の収穫者》など高性能なクリーチャーを採用できる黒を採用してジャンドカラーにすることにしました。

インスタントタイミングで使用できる優秀な除去《切り崩し》を採用できるのも追い風になる要素です。



…というわけで、黒をタッチしてジャンドカラーにしました!
うーん、ジャンドかぁ…
それはちょっとなぁ…
あ、あれ…
ジャンドカラーはダメなんですか…?
ダメっていうか、黒を入れてしまうと《黙示録、シェオルドレッド》を採用したくなるからフクザツだよな。
現に《黙示録、シェオルドレッド》は《Evolved Spinoderm》よりクロックが1点大きいしな。

黙示録、シェオルドレッド

伝説のクリーチャー - ファイレクシアン・法務官 {2}{黒}{黒} 4/5
接死
あなたがカード1枚を引くたび、あなたは2点のライフを得る。
対戦相手1人がカード1枚を引くたび、そのプレイヤーは2点のライフを失う。

でも…《Evolved Spinoderm》には呪禁があるので…
まぁ、そうなんだけどさ。
《黙示録、シェオルドレッド》は攻撃しなくても、どんどんライフ差が開いていって、終いには立っているだけで勝つぞ?
それに対して《Evolved Spinoderm》は棒立ちしてたら消えるじゃないか。
あ、うーん…たしかに…?
《Evolved Spinoderm》を入れている理由が分からなくなってきた…かも。
呪禁5/5がどれだけ環境に刺さるかにかかっているな。



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まとめ

というわけで、現代のファイアーズを組めるのかについて考えてみました。
正直…どうなんだろうな。
次弾は強いカードが多すぎて、環境がひっくり返ってしまう可能性もあるからなぁ…。
現代版ファイアーズも強かったけど、周りはもっと強かったという展開もありえますからね…
インフレ期のTCGはそういうの多いしな。
強かったらアリーナの時期環境は現代版「ファイアーズ」で行こうかな。弱かったら…
弱かったら…?
粛々と黒を使います…
…。


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らすとさば
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