5Kモダンと「進化型」緑単ストンピィ


こんな内容の記事です
  • MOXFIELD公開のデッキのコンセプトに触発され、5Kモダンに興味を抱くまでの過程を記事の形で残しました(というより、記事の形へと編集しました)
  • 前半はMOXFIELDで公開されていた面白いデッキ(MyCababbaggesさんのデッキ)の紹介となっております。
  • それを応用した5Kモダン(¥5000で組んだモダンデッキで遊ぶカジュアルフォーマット)のデッキリストも掲載しています!
  • 5Kモダンのリストはモダンの初心者参入用には向きません。参入用のデッキは赤単ゾンビがおすすめです。

緑単ストンピィ by MyCababbagges(on MOXFIELD)

面白そうなリストを見つけてきました!

カード名をタップで詳細ページ(Scryfall)に飛びます

メイン

クリーチャー

4 実験体 ¥ 100
4 生皮収集家 ¥ 220
4 呪詛呑み ¥ 1110
4 絡み根の霊 ¥ 200
4 毅然さの化身 ¥ 240
3 群れ率いの人狼 ¥ 710
4 鉄葉のチャンピオン ¥ 410
2 老樹林のトロール ¥ 580

呪文

4 霊気の薬瓶 ¥ 2620
4 ハイドラの血 ¥ 100
4 怨恨 ¥ 150

土地

1 耐え抜くもの、母聖樹 ¥ 4710
3 成長の揺り篭、ヤヴィマヤ ¥ 800
4 ハシェプのオアシス ¥ 80
4 新緑の地下墓地 ¥ 2990
4 育成泥炭地 ¥ 1200
3

サイドボード

3 四肢切断 ¥ 580
2 活性の力 ¥ 5590
2 大祖始の遺産 ¥ 890
2 形成師の聖域 ¥ 1030
3 倦怠の宝珠 ¥ 1970
3 虚空の杯 ¥ 12060


予算

メイン: ¥48080
サイドボード: ¥58850
合計: ¥106930

テストプレイ






「進化」初動の面白いデッキコンセプト

《実験体》8枚体制の特異なリスト

このリストの面白いのは、《実験体》と《生皮収集家》を採用してるところだな。
あんまり使われないカードなんですか?
まぁ、「緑単ストンピィ」はマナクリーチャーから《鉄葉のチャンピオン》とか《老樹林のトロール》につなぐのが多いかな。

軽く回して気づいたのは、
  • 1ターン目:《実験体》召喚
  • 2ターン目:《実験体》召喚→《呪詛呑み》召喚
  • 3ターン目:《毅然さの化身》召喚

※《実験体》は《生皮収集家》でもよい。


というパターンの強さ。

毅然さの化身

クリーチャー - アバター {緑}{緑}
3/2
到達、トランプル
毅然さの化身は、あなたがコントロールする+1/+1カウンターが置かれている他のクリーチャー1体につき+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。

3ターン目に8打点を揃えて攻撃しに行くことができる「続唱サイ」並みのスピードで、さらに余剰の1マナでコンバットトリックまでできる至れり尽くせりでした。


また、1ターン目の《実験体》から、2ターン目の《絡み根の霊》へと繋ぐパターンも強力。
  • 1ターン目:《実験体》召喚
  • 2ターン目:《絡み根の霊》召喚
  • 3ターン目:《怨恨》エンチャント→《ハイドラの血》《ハイドラの血》

※《実験体》は《生皮収集家》でもよい。


上記の流れで3ターンの間に18点のライフを削ることができます。相手のショックランドを加味して考えれば、3ターンキルも見込めるスピードです。

ハイドラの血

インスタント {緑}
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける。Xはあなたの緑への信心に等しい。(あなたの緑への信心は、あなたがコントロールするパーマネントのマナ・コストに含まれる{緑}の総数に等しい。)


コンボやバーンに負けないスピードで殴り切るって感じかな。
《実験体》がどんどん成長していくのが楽しいぞ。
おぉ…これは強そう!
いや、まぁ…ちょっとプロキシで試してみたんだけど、強さは微妙だったな。
だけど構築のアプローチ自体には大きな価値がある。すごく面白いし、可能性を感じたぞ。
良さげなカードが追加されたときにまた試すといいかも…?
だな。具体的には12枚目の《実験体》が欲しかった。これが実現すると化けるかもしれない…!



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カードプールが追いついていないために妥協せざるを得なかった?

霊気の薬瓶が要らない

霊気の薬瓶

アーティファクト - {1}
あなたのアップキープの開始時に、あなたは霊気の薬瓶の上に蓄積カウンター1個を置いてもよい。
:あなたはあなたの手札にあり、マナ総量が霊気の薬瓶の上にある蓄積カウンターの個数に等しいクリーチャー・カード1枚を戦場に出してもよい。

デッキが回るのは必ず《霊気の薬瓶》を引いて「いない」ときなんだよな…
ということは、要らないということなんじゃ…
要らないな。噛みあってない。


《霊気の薬瓶》は置かれている蓄積カウンターと「等しい」マナ総量のクリーチャーを場に出すアーティファクト。そのため、ひとたび蓄積カウンターの数を2個にしてしまうと1マナのクリーチャーを出せなくなってしまいます。

この特徴のため、《霊気の薬瓶》は同じマナ総量のクリーチャーが大量に採用されているデッキで威力を発揮しやすい。

しかし、本リストに採用されているクリーチャーはマナコストがバラバラで、1マナは12体、2マナは11体、そして3マナが6体とまとまりがありません。このような編成では《霊気の薬瓶》は出せるクリーチャーが手札にないまま腐ってしまいがちです。

また1マナが多いのも《霊気の薬瓶》にとってはつらいところ。

1マナのクリーチャーであれば、そもそも《霊気の薬瓶》を使わずに普通に召喚したほうが展開が速いし、ハンドアドバンテージの観点でもその方が有利になります。

《霊気の薬瓶》のプレイはカードアドバンテージの損失となってしまうため、1マナのクリーチャーを並べるデッキの場合は、《霊気の薬瓶》を使用しない方が上手く回ることが多いです。


うーん、じゃあなんで《霊気の薬瓶》を入れたのでしょうか…?
何か考えがありそうなのですが…
考えはあると思う。でもそれこそがこのデッキの一番むずかしいところなんだよな。
…???
多分だけど、妥協してる。
カードプールの関係で《霊気の薬瓶》を妥協案として採用したんだと思う。
す、すごい…リストを見ただけでそんなことまで分かっちゃうものなんですか?
いや、ちがう…
オリジナルデッキを組むプレイヤーだと分かると思うんだが、これはあるあるなんだ。
初動にできるカードがどうしても見つからないと、《霊気の薬瓶》でお茶を濁したくなるんだ…
あ…そういう…
だから今アタシはリスト制作者にシンパシーを感じてる。
わかるんだ…これはやりがち。



次善の策の初動

正直この《呪詛呑み》もあんまりデッキに噛みあってないよな。
ですね…
4マナで4/4というのは悪くないと思うのですが…
これは選択肢の狭さが原因だと思うんだ。
このスロットに入るクリーチャーで一番マシなのが《呪詛呑み》だった…多分それだけだと思う。


1マナであり、パワーが2以上で、緑のクリーチャー、この条件を満たすカードが現在(2023/1/4)8種類しかありません。
そして、そのいずれも普通に採用するには難のあるカードばかり。消去法的に一番扱いやすい《呪詛吞み》が採用されたものと思われます。


この中で一番有望なのは《緑地帯の暴れ者》じゃないかな。
出てすぐに手札に戻るから、《実験体》《生皮収集家》を繰り返し成長させることができる。

緑地帯の暴れ者

クリーチャー - 象 {緑}
3/4
緑地帯の暴れ者が戦場に出たとき、あなたは{}{}(エネルギー・カウンター2個)を支払う。それができないなら、緑地帯の暴れ者をオーナーの手札に戻し、あなたはEnergyを得る。



特殊地形がリスク要因になっている

19枚中16枚が特殊地形と、単色デッキの土地スロットの自由さをふんだんに活かして構築された本リストですが、これがゆえに《血染めの月》に非常に脆弱になってしまっています。

相手プレイヤーの観察眼が、信心ギミック(ダブルシンボル・トリプルシンボル)と大量の特殊地形とを捉えれば、必然的に《血染めの月》がサイドインされてしまう可能性が高まります。

血染めの月

エンチャント {2}{赤}
基本でない土地は山である。

現状のメタゲームにおいて《血染めの月》は、「イゼット・マークタイド」のサイド、「ラクドス・ミッドレンジ」のメイン、及び「続唱サイ」のサイドから採用されています。

その合計がメタゲームに占める割合はおよそ35%、原則として対策が必要な仮想敵です。



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5kモダンにアイデアを転用できる?

「シナジーないけどこれしかないから…」みたいな妥協気味の理由で採用されたカードが多いと、どうしてもデッキは弱くなるんだよな…
なるほど…
パワーカードの束みたいなTier1デッキでも、そこそこ綿密なシナジーのネットワークが形成されてたりするんだ…
だから、基本的にカードパワーで負けてる状態からスタートするTier2デッキ群はシナジーを諦めちゃダメなんだよな。
うーん、なんかもったいないというか…このデッキのアイデアを活かしてみたいというか…
そう、それで思ったんだよ。そもそも「妥協のある」フォーマットでなら、妥協されたデッキのアイデアを活かせるんじゃないかってな。
そんなものあるんですか??
いやまぁ…あると言えばあるし、ないと言えばない。
カジュアルプレイで「5kモダン」というのがあるんだ。
ごけー…??
Kは「キロ」のことだな。予算5000円で、なおかつモダンのカードプール内でデッキを組む非公式フォーマットだ。
何をもって予算¥5000とするかも曖昧だから全くもって競技向きじゃないが、まぁ…そういうのも偶にはいいだろう。





5Kモダンストンピィ

カード名をタップで詳細ページ(Scryfall)に飛びます

メイン

クリーチャー

4 実験体 ¥ 100
4 生皮収集家 ¥ 220
4 ケッシグをうろつくもの ¥ 40
2 鎌虎 ¥ 50
2 緑地帯の暴れ者 ¥ 60
4 絡み根の霊 ¥ 200
4 カロニアの大牙獣 ¥ 50
4 タララの大隊 ¥ 90
4 皮背のベイロス ¥ 110

呪文

4 怨恨 ¥ 150
4 ハイドラの血 ¥ 100

土地

20

サイドボード

3 再利用の賢者 ¥ 60
3 強情なベイロス ¥ 80


予算

メイン: ¥4460
サイドボード: ¥420
合計: ¥4880

※WisdomGuildのトリム平均を切り上げ、2023/1/5現在


テストプレイ




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採用カード紹介

緑地帯の暴れ者

クリーチャー - 象 {緑}
3/4
緑地帯の暴れ者が戦場に出たとき、あなたは{}{}(エネルギー・カウンター2個)を支払う。それができないなら、緑地帯の暴れ者をオーナーの手札に戻し、あなたはEnergyを得る。

出てすぐに手札に戻るパワー3なので《生皮収集家》のサイズをすぐに3/3まで上げることができます。繰り返し召喚できるので、後から出てきた《実験体》や《生皮収集家》を成長させられるのも良かった。

分割払いできる3/4ということで本体もそこそこに優秀なのですが、《絡み根の霊》に出番を奪われたまま終わるゲームも多かったのでこの枚数にしました。


これ、さっき言ってたすぐ戻る象ですね!
そう。入れてみたぞ。
実際まわしてみると結構いい仕事したんだよな。



ケッシグをうろつくもの

クリーチャー - 狼男・ホラー {緑}
2/1
{4}{緑}:ケッシグをうろつくものを変身させる。
しなやかな捕食者
クリーチャー - エルドラージ・狼男
4/4
しなやかな捕食者は、2体以上のクリーチャーによってはブロックされない。

《呪詛吞み》の次に無難な性能だった1マナ2/1。



カロニアの大牙獣

クリーチャー - ビースト {緑}{緑}
3/3

《群れ率いの人狼》の完全下位互換。

下位互換であることに変わりはないのですが、2点火力を耐える、2/1に勝てるなど3/3というサイズが活きるシーンは多々ありました。


スターターデッキに入ってそうなカードですね。
分かる。テキストもそうなんだが、なんかこのイラストもスターターっぽい雰囲気を醸してるんだよな。



鎌虎

クリーチャー - ネコ {緑}
3/2
被覆 (このクリーチャーは呪文や能力の対象にならない)
鎌虎が戦場に出たとき、あなたが土地を1つ生け贄に捧げないかぎり、鎌虎を生け贄に捧げる。

登場時に自身の土地を生贄に捧げる3/2。「被覆」を持っていて丈夫ですが、《怨恨》をつけられないので裏目に出ることもあります。

1ターン目から自分の土地を潰していては展開がままならないので、出すのは専ら3ターン目。

《タタラの大隊》と同じターンに出せれば色々とおさまりが良い印象です。

タララの大隊

クリーチャー - エルフ・戦士 {1}{緑}
4/3
この呪文は、このターンにあなたが他の緑の呪文を唱えていたときにのみ唱えられる。
トランプル


3ターン目に2+1マナで無駄なく展開できるのがミソなんだが、「中盤以降に1マナクリーチャーを出しても他のクリーチャーのサイズが大きすぎて活躍できない」ということになりにくいのが良かった。
《タタラの大隊》と一緒に3ターン目に出せば、パワー2の《実験体》を2→3→4とパワーアップさせられる?
だな。こうなると最高だから、極力《タララの大隊》と一緒に出したいカードだ。



絡み根の霊

クリーチャー - スピリット {緑}{緑}
3/2
速攻
不死(このクリーチャーが死亡したとき、それの上に+1/+1カウンターが置かれていなかった場合、それを+1/+1カウンターが1個置かれた状態でオーナーのコントロール下で戦場に戻す。)

強い。勝っている時には大体出ていました。
アグロやミッドレンジ相手にブロッカーとして立てておきつつ、チャンプブロック後に3/2で殴り返す動きが存外に強力。この一手でダメージレースの優位に立つことができました。

終盤では速攻が活きてくるので隙の無い1枚になっています。



皮背のベイロス

クリーチャー - ビースト {緑}{緑}{緑}
4/5

これは安価な《鉄葉のチャンピオン》…ということでしょうか?
それもあるんだが、実は前々から注目してたカードなんだよな。
…というと?
これタフネス5あるだろ?
《激情》の登場時誘発で焼かれないし4/4クリーチャーに勝てる、結構強そうじゃないか?
あ…なるほど!このタフネス1点の差が大きいんですね…!
結構重要な差別化要素だな。
もっとも、5kモダンに1枚¥6200の《激情》は存在しないんだけど…



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まとめ

せっかく組んだから試してみるか…と言いたいところなんだが、5kモダンのデッキ持ってないんだよな…
とりあえず今回は格安モダンの「赤単果敢」で対戦していいか…?
じゃあボクが緑単使います!
おお、是非に使ってみてくれ…!




たのしー!
(あれ、思ったより勝負になるな…)
結構強いですね、これ!
普通のモダンでも行けちゃうのでは…!?
いやぁ…さすがにキツイと思う。
Tier2デッキどうしのマッチアップだと無対策で勝てたりするんだけど、相手がTier1だと対策が必須だからな。 「続唱サイ」とか「ドメイン」に勝てるビジョンが見えないから、優秀なサイドボードのパーツが必要だろう。




今回はMyCababbaggesさんのリストを元に5kモダンを作ってみました…!
5kモダン、楽しそう!
今更だが、MyCababbaggesに感謝しないとな。
面白いコンセプトだし、これは色々応用できそうだ。
それでは…!
またな!




へー、5kモダン…
おまえの好みではないよな。どうしてもこの価格帯だと妥協ありきの構築になってしまうしな…
5kモダン…いいじゃないですか。
あれ、意外だな。
格安モダンで頑なに完全下位互換を使いたがらなかったから、5kモダンは気に入らないかと思ったが…
これまで格安モダンで安くて強いデッキを追及してきたじゃないですか…
赤単で¥20000未満のデッキを、黒単で¥10000未満のデッキを競技イベントに持ち込めるまで仕上げました…じゃあ次は¥5000かなって思ってたんです!
えぇ…さすがに無謀じゃないか??
多分今度ばっかりは無理ですね。でもやってみたい。
他TCGのプレイヤーが気軽に出せる額ってこの価格帯だとおもってますし…
なるほどな。でも5kと格安モダンは別物だぞ?
それでいいんです。
5kモダンを研究しているうちにすごいリストができちゃうかもしれない…!
あり得なくもないな。
できそうなアーキタイプに心当たりもある。やってみるか…





らすとさばTCGレポートからのお願い

現在らすとさばTCGレポートでは、「5Kモダン」なるエルドラドについての情報を募集しております。

もし5Kモダンをプレイされている方がいらっしゃれば、デッキリスト(入賞実績不問)やイベントが開催されている店舗をご教授いただければ幸いです。

ご教授いただいた情報は記事にてご紹介させていただく場合がございます。


情報はTwitterのメッセージメンションないしはGoogleフォームにて受け付けております。

なにとぞ、ご協力よろしくお願いいたします。





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プロフィール

らすとさば
TCGプレイヤーです。主にMTGを安くカジュアルに楽しむ記事を書いています!