叫び大口【格安モダンカードメモ】


こんな内容の記事です
  • 安くて強いカードを紹介する記事です!
  • 最終更新:2023/2/19
  • 格安モダンデッキで採用したカード、採用を検討したカードへの評価・感想をまとめています!
  • 参考価格はウィズダムギルドトリム掲載の平均価格を切り上げたものになります

叫び大口

マナ・コスト {5}{黒}
タイプ クリーチャー — エレメンタル
P/T 3/2
テキスト

畏怖(このクリーチャーは、アーティファクトでも黒でもないクリーチャーによってはブロックされない。)

叫び大口が戦場に出たとき、アーティファクトでも黒でもないクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。

想起{1}{B}(あなたはこの呪文を、これの想起コストで唱えてもよい。そうしたなら、これが戦場に出たとき、これを生け贄に捧げる。)


参考価格
1002022/11/30 現在
おすすめ度

実績
エレメンタル
ブルー・リビングエンド



黒い《孤独》です。
ちがうだろ。

孤独

クリーチャー‐エレメンタル・インカーネーション {3}{白}
3/2
瞬速 絆魂
孤独が戦場に出たとき、これ以外のクリーチャー最大1体を対象とする。それを追放する。そのクリーチャーのコントローラーはそれのパワーに等しい点数のライフを得る。
想起―あなたの手札から白のカード1枚を追放する。

基本的な運用

採用枚数:黒いデッキのサイドボードから1枚まで
仮想敵:イゼット・マークタイドの《濁浪の執政》など


呪文貫きに阻まれない確定除去として

《叫び大口》は、想起キャストで確定除去呪文として使えますが、クリーチャー呪文なので《呪文貫き》に阻まれません。迅速かつ確実に《帳簿裂き》や《濁浪の執政》に対処する手段として有効です。

メタゲーム的にメイン採用には不適

以前はメインから採用していたカードなのですが、現在はサイドボードからしか使っていません。

メインから採用していた当時はモダンにおいて黒が極端に不遇な時代であり、黒だから対処できない仮想敵というのがそう多くありませんでした。ゆえに、相手がたまたま黒いデッキだったらサイドアウトすればいいという程度の認識で良かったのですが、「独創力」に「ラクドス想起」「ラクドスミッドレンジ」が跋扈する現在はそういう訳にも行きません。

あるいはそれら有名アーキタイプに限らず、私個人の体感としてここしばらくマイナーデッキタイプとのマッチが増えているので、「黒は少ないからいいだろう」との考えで採用することはできなくなりました。





大歓楽の幻霊を誘発させずに処理する

《叫び大口》はマナ総量5の呪文なので、想起コストで唱えたとしても《大歓楽の幻霊》の能力を誘発させません。

大歓楽の幻霊

クリーチャー・エンチャント — スピリット {赤}{赤}
2/2
プレイヤーが点数で見たマナ・コストが3点以下の呪文を唱えるたび、大歓楽の幻霊はそのプレイヤーに2点のダメージを与える。

バーン側は、「最低限2点ダメージを与えてくれるもの」という計算のもとに《大歓楽の幻霊》をキャストしているので、これが勝敗に影響を与える番狂わせになることもあります。


入ると思っていた2点が入らないのは結構キツいよな…
どこに除去を振るかまで計算ずくのバーンにとっては致命的な誤算になることもありますね。



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否定の力に阻まれない除去として続唱対面にも

《否定の力》にも打ち消されないので、「続唱サイ」対面でもやや有効なカードです。

続唱された《衝撃の足音》から4/4トランプルのサイ・トークンを2体生成するのが「続唱サイ」なので、サイ・トークン1体を処理してももう1体が残るので仕方がないのでは…と思うかもしれませんが、実際は1体減るだけで俄然戦いやすくなります。

衝撃の足音

ソーサリー
待機4―{緑}(あなたはあなたの手札からこのカードを唱えるのではなく、Greenを支払い、時間カウンターを4個置いた状態でこれを追放してもよい。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、これをこれのマナ・コストを支払うことなく唱える。) トランプルを持つ緑の4/4のサイ・クリーチャー・トークンを2体生成する。

多くて3ターンしか猶予の無い"8点クロック"から5ターン猶予のある"4点クロック"にまで落ちるので、1体サイ・トークンを減らすだけで勝ち筋が太くなるんですよね。勝利が「不可能」から「現実的」になるくらいには状況が良くなります。

4点クロックまで落とすことで延長された猶予ターンのなかで、4/4トランプルサイ・トークンをキャッチできるサイズのクリーチャーを用意できれば勝てる…最悪相討ちさえできれば勝ち筋は開けます。


もっとも、たて続けに《衝撃の足音》を連打されたらどうにもなりませんが…
そして最悪なことに、今の「続唱サイ」は《献身的な嘆願》も採用して続唱10枚体制にしているタイプもあるからな…

献身的な嘆願

エンチャント {1}{白}{青}
賛美 (あなたがコントロールするいずれかのクリーチャーが単独で攻撃するたび、そのクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。)
続唱 (あなたがこの呪文をプレイしたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、コストがより低い土地でないカードが取り除かれるまでゲームから取り除く。 あなたはそれをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。 その取り除いたカードを、無作為の順番で一番下に置く。)

《献身的な嘆願》は賛美持ちなので、一匹だけ生き残ったサイ・トークンがパワーアップしちゃうんですよね…





ハードキャスト時のスペックが高い

ハードキャストした(=想起コストではなく通常のコストで唱えた)《孤独》《激情》が強力であるのと同様に、ハードキャストされた《叫び大口》は強力です。

ETBで除去が使えるクリーチャーは、「進路をクリアしてから攻撃する」というゲーム勝つための一連の動作が1枚にパッケージされているカードとみることができます。お互いのリソースがひっ迫したゲームを終わらやすいのもETBで除去できるクリーチャーの強みです。

ヴェクの聖別者

クリーチャー - 人間・クレリック {白}{白}
2/2
プロテクション(黒)、プロテクション(赤)
ヴェクの聖別者が戦場に出たとき、すべての墓地から黒や赤であるすべてのカードを追放する。
黒や赤の、パーマネントや呪文や戦場にないカードが墓地に置かれるなら、代わりにそれを追放する。

ついでに「畏怖」によるブロック回避は、《ヴェクの聖別者》を立てられてて膠着したままになってしまった盤面の打開手段になる場合があります。

畏怖

畏怖を持つクリーチャーは、黒でもアーティファクトでもないクリーチャーによってブロックされない。

《孤独》《激情》のようなエレメンタル・インカーネーションのハードキャスト時の強さは、「想起」のおかげで5マナクリーチャーが安定して出せないほど速い環境でも採用しやすいことに裏打ちされたものではありますが、《叫び大口》にもその「想起」があるわけです。

想起

「このカードを唱える場合、あなたはそれのマナ・コストではなく[想起コスト]を支払ってもよい」という常在型能力と、 「このパーマネントが戦場に出たとき、それの想起コストが支払われていた場合、それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる」よいう誘発型能力から成るキーワード能力。
端的に言えば、通常より安く召喚できる代わりに戦場に出た瞬間に自壊してしまうという能力。

序~中盤には除去スペルとして活躍し、終盤には露払いしながら攻撃に参加するフィニッシャーになるという、《孤独》や《激情》が持つ強みを《叫び大口》もしっかり持ち合わせています。
そればかりか「想起」でカード・アドバンテージを失わない分、こちらの方が使いやすい場面もしばしばありました。

もっとも、《叫び大口》はメインボードからは採用しづらいので、その点で《孤独》《激情》に水を開けられてしまっているのですが…


メタがぐるぐる回っているうちに、《叫び大口》が《激情》や《孤独》と肩を並べるカードのように思えてきました。
実際、「5マナ」の「想起持ち」の「ETBで除去を持っている」という三点で共通してるからな…
競合するのは《孤独》ですね。
《激情》とは確定除去で差別化できているので…
《孤独》と《叫び大口》とは、想起コストが手札かマナかで差別化することになるのか?
それがそうでもないんですよね。
現状《孤独》は《孤児護り、カヒーラ》とセットで使われているのですが、《孤児護り、カヒーラ》を3マナ支払って手札に加えてから《孤独》の想起を使用すれば、実質的に想起コストは「無色3マナ」になりますから。差別化点は「2マナで想起できること」と「黒であること」だとする方が妥当かもです。

孤児護り、カヒーラ

伝説のクリーチャー - 猫・ビースト {1}{白/緑}{白/緑}
3/2
相棒 ― あなたの開始時のデッキに入っている各クリーチャー・カードが、それぞれ猫かエレメンタルやナイトメアや恐竜やビーストであるカードであること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、あなたはあなたがソーサリーを唱えられるときならいつでも{3}でゲームの外部からこれをあなたの手札に加えてもよい。)
警戒
他の、あなたがコントロールしていて猫やエレメンタルやナイトメアや恐竜やビーストである各クリーチャーは、それぞれ+1/+1の修整を受け警戒を持つ。

そう言われると地味に見えてきたな…
一応カードアドバンテージを犠牲に想起できる《孤独》の方が柔軟なわけだし。
たしかに地味ではありますが、2マナか3マナの違いは大きいですよ…! カードパワーの高い3マナ域へ繋ぎやすいですし。
そういうものかなぁ…?
まぁ、色がちがう時点で十分に差別化できているか。



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「想起」を利用したギミックが使える

自壊前にインスタント呪文をはさむ

「想起」による自壊はスタックに乗るので、自壊の前にインスタント呪文を唱えるタイミングがあります。

ここで、《叫び大口》を生贄に《村の儀式》を唱えれば実質的に追加コスト無しですし、《不死なる悪意》を唱えれば自壊後4/3になって復活します。



「ラクドス・ミッドレンジ」がよくやってるテクニックだな。



リアニメイト

「想起」で自壊したクリーチャーは墓地に置かれるため、リアニメイト先のクリーチャーの確保と除去とを同時に行うことができます。

ただし、《頑強》で蘇生した《叫び大口》は2/1畏怖と貧弱なクリーチャーになってしまうので、あくまで除去目的でのリアニメイトになるでしょう。
また、《叫び大口》は「ブルー・リビングエンド」での採用例があります。こちらの方が現実的な運用方法かもしれませんね。

頑強

ソーサリー {1}{黒}
あなたの墓地から伝説でないクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを-1/-1カウンター1個が置かれた状態で戦場に戻す。





まとめ

使用感はすごくエレメンタル・インカーネーションに近いので、エレメンタル・インカーネーション気になってたけど1枚に¥5000もは出せないと思っていた方は試してみてください…!
ブリンクのギミックに組み込みづらいってだけで基本的な性能は《激情》や《孤独》にそっくりだからな。
ジェネリックなエレメンタル・インカーネーションと言えるか?




そういえば《叫び大口》って名前からして叫び声でクリーチャーを破壊してるんですよね…?
まぁ…そうなんじゃないかな?
どんな叫び声なのかな…
"Shriek"が「金切り声」、"Maw"が「口」、だから甲高い声ではあるんだろうが…
あんまり叫んでいる感じしないですよね。


そういえば『ローウィン』のカードイラストって、開発中に何枚かスワップされたんだよな…
ちょっと探してみるか。
よろしくです。




見つかったぞ。これが《叫び大口》に使用されているイラストの発注書だな。

この巨躯のエレメンタルは回帰※と忘却のエレメンタルである。これを如何に表現するかはあなたに委ねる。
このクリーチャーを表現するアイデアのひとつに「たくさん足の生えたイモリかトカゲの胴体で、顔は黄褐色のガマグチヨタカ(異様に大きな口を持つフクロウ※)」というものがある。
上のアイデアに倣う場合、クリーチャーの大きな口が奇妙な現象の源で、そこから青い光と蒸気が吐き出され、足元にはドライアイスのような霧が生じている。 後ろの方は、霧の中に消えていくようにも、現実から抜けだしていくようにも見える。

上記はの"LORWYN ELEMENTAL SWAPS"という記事からの抜粋で、試訳。
※1:"Undo"に相当する良い表現が思いつかなかったため「回帰」とした。
※2:ガマグチヨタカはフクロウではない。フクロウに似ているが、ヨタカ目ガマグチヨタカ科に分類される鳥である。

あ…あれ、発注書には「叫ぶ」とか書いてないですね…
これは《叫び大口》に「使用されているイラストの」発注書だからな…
つまり…分かるか?
使用されている…もしかして、本来は《叫び大口》のためのイラストじゃなかった?
そうなんだよ。
《霊気撃ち》に相当するカードのための発注書だったらしい。

霊気撃ち

クリーチャー - エレメンタル {5}{青}
霊気撃ちが戦場に出たとき、土地でないパーマネント1つを対象とする。それをオーナーの手札に戻す。
想起{1}{青}{青}(あなたはこの呪文を想起コストで唱えてもよい。そうしたなら、これが戦場に出たとき、これを生け贄に捧げる。)

なるほど…そうだったんですね。
じゃあ「叫び大口」というネーミングは…
このイラストを再解釈したものだろう。
大きく口を開けているのを叫んでいるものとした。本当は何か霧状のものを吐き出してるシーンなんだけどな。




そういえば、《叫び大口》は「ラクドス・エレメンタル」で使ってたよな?
ですね。
今「ラクドス・エレメンタル」のリストを再調整していて、強さを改めて嚙みしめている最中なのでメモをのこしておこうと…
ああ、そういうことか。
リストのデータが取れたら記事にすると思います。
そのときはみなさんご覧くだされば幸いです…!
よろしくな…!



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プロフィール

らすとさば
TCGプレイヤーです。主にMTGを安くカジュアルに楽しむ記事を書いています!